『E.T.』→『アミスタッド』→本作

　『アミスタッド』（1997）を封切り時に観た時、スピルバーグらしからぬ地味な内容に戸惑ったが、ストーリーが『E.T.』っぽいことに気づいて、なんとなく納得できた気になった。
　本作も地味な内容で、これもストーリーは『アミスタッド』っぽい。
　スピルバーグは心底「主人公が誰かを元の居場所に返してあげる」ストーリーが好きなのかなぁ？それとも単なる偶然？
　彼の思い入れがある題材の映画化だと考えると、冷戦や外交での戦いの現場という、一般人には想像が難しく感情移入しづらい世界の物語を選びながらも、そのハンデを乗り越えるべく真摯な意識で手堅く作られた作品だと思う。