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鑑賞日 2013/12/31  登録日 2013/12/31  評点 85点 

鑑賞方法 映画館/東京都/ユナイテッド・シネマとしまえん 
3D/字幕 3D/字幕
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重力を取り戻すために

これは映画においてもはや宇宙はSFの特権的空間ではなくなった事を決定づける画期的な一編となったかも知れない。あえて同趣向の作品をあげればロン・ハワードの “アポロ13”( ‘95)などがあったけど、あちらはもっぱら故障した宇宙船内部と地上の管制センターのやり取りが主要で、今回ほど宇宙(=無重力?)そのものを観る者にガッツリと感じさせるものではなかったと思う。

物語上で余計な贅肉となる様な描写を切り落とし、命を危機にさらす苛酷な環境そのものとそれに向かい合うヒロインを如何に精緻にスクリーンに描き込むか、そこに作り手の精力は集中される。無重力遊泳の浮遊感.画面の上下左右に気まぐれに表れる巨大な地球、宇宙船や宇宙ステーションのリアルな作り込みに眼を見張るが、もはや地球帰還の手段が万事尽きソユーズのコクピット内で孤独に追い込まれ一度は死を覚悟したサンドラ・ブロックが流す涙、それが水滴となって空間を漂う3Dの絵柄に何より不思議な感慨を覚えた。

それにしても、スペース・シャトル、ISS,中国のステーション(天宮)とサヴァイバルに使えるものは何でも繰り出しての息をつかせぬ緊迫感溢れる展開は一寸あざといかとも思ったけど、本作では逆にこれがプラスの方向に作用したと云う事だろう。一転して静溢なる幕切れの一駒にA・キュアロン監督の作家性が見えたような気がした。