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落語家の業
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驚くほど面白い映画だった。本当に驚いた。 この際、映画の中身がどうこうということではない。この映画を観た劇場の観客が、途中で何度も拍手喝采と大爆笑の渦に包まれたことこそが、この映画の価値だろう。 談志の言葉に「落語は業の肯定である」というものがある。業とは、いわば悪業だ。ブラックという名のとおり、落語の世界であらゆるものを笑い飛ばす。その内側にまで、この映画は迫っていく。榎園喬介監督のセンスにも感嘆させられた。彼はブラック師匠を徹底的に肯定する。 そのブラック師匠と犬猿の仲にある志らく師匠がトークショーに登壇し、「これは『ゆきゆきて、神軍』のような映画だ」と語った。あの映画から四〇年近くが経ち、原一男監督は「あの映画はフィクションだ」と宣言している。つまり、カメラを向けられた奥崎謙三は“本人を演じていた”ということだ。その意味で、志らく師匠の指摘は的確だ。この映画もまた、ブラック師匠がブラックを生涯演じ続けること、その行為自体が真理なのではないか。 大須演芸場に裁判所の執行官が現れ、客席から「待ってました!」の声が上がる場面。弟子に訴えられ、和解金を有馬記念に賭け、エフフォーリアが勝利する場面。いずれのシーンでも、客席から盛大な拍手と笑いが起きたことには本当に驚いた。 これは間違いなく、映画館で、大勢の観客と一緒に観るべき映画である。というか映画館でしか体験できない映画である。 落語に限らず、芸能やエンタメが政治を支持すれば、国は潰れる。テレビもネットも、所詮は巨大資本に支配された世界だ。政治と資本が結託し、裏にある真実を隠し、国民を目眩ましにする――それはいつの時代も変わらない。どの社会においても、見えないプロパガンダに洗脳されるのは、常に国民の側である。 そうした社会を命がけで阻止しようとするブラック師匠を育てたのは、映画の闇だったという。映画が彼をブラックにした。そのことを思うと、同じ映画ファンとして、ますますブラック師匠を支持したくなる。 坂本頼光先生がナレーションを務めている点も素晴らしい。心から感動した。
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