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鑑賞日 2025/07/21  登録日 2025/07/22  評点 90点 

鑑賞方法 映画館/東京都/新宿ピカデリー 
3D/字幕 -/字幕
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汚職に立ち向かう勇者たち

インド映画の魅力は、社会が抱える大きなテーマに果敢に挑戦する姿勢にある。『きっと、うまくいく』や『PK』、『ダンガル』、最近では『ジガルタンダ・ダブルX』もその例に漏れず、教育、宗教、ジェンダー、汚職といった問題を描き、深いメッセージを観客に投げかけている。本作『マーヴィーラン』もまた、現職大臣の汚職をテーマに、インド地方政治の腐敗を鋭く描く。

もちろん、コメディやダンスシーンといった華やかな要素もあり、エンタメとしての楽しさも十分に備えている。しかし、ここでふと「もしこの映画を日本で撮った場合、同じように社会問題を描き、かつコミカルなアプローチができるのだろうか?」と考える。

本作の主人公、サティアはタミル人(南インド出身)のゴーストライターです。彼が描いているのは、「偉大なる勇者(マーヴィーラン)」という連載漫画の内容で、表向きは華やかなキャラクターを描くが、実際には世間との軋轢を避け、何事も肯定して受け入れる姿勢を貫いている。この無欲で他人の期待に応えようとする彼の姿勢は、物語の中で重要な役割を果たす。

サティアの母親は、彼の父親が政府と戦って殺された過去を持ち、そのために立ち退きを命じられても、最期まで抵抗する。家族の歴史を背負っているサティアは、貧民窟からタワマンへの引っ越しを果たすが、そこは実は政治家の汚職の温床であり、ハリボテの建物であることが明らかになる。タワマンの居住者たちは生活に困窮し、サティアも我慢する日々が続く。

ある日、サティアは屋上から飛び降りて死んでしまう。ここで天からの声が響き、彼は生き返る。その後、天の声に従い、敵からの攻撃を交わしながら進むサティア。しかし、物語のクライマックスでは、サティアが大臣と対決することとなり、大臣もまた秘書の言いなりであることが明らかになる。崩壊寸前のタワマン前での死神を名乗る大臣との壮絶な戦いが展開される。

最終的に、サティアは天からの指示に従っていた自分を超え、自らの意思でヒーローとして立ち上がる。このテーマは、日本の政治における「権力に屈するか、それとも抗うか」という問題を彷彿とさる。サティアは、腐敗した社会に立ち向かう力を見つけ、美しい協力者ニラーとの関係も大きな支えとなり、最終的には成功を収める。

また、エンドロール後にもオチがあるので、最後まで見逃せない。