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ジェーンとシャルロット
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2023年に亡くなったジェーン・バーキンを娘のシャルロット・ゲンズブールが撮って2021年に公開したドキュメンタリー。この映画のわずか2年後にジェーンは亡くなった。 ジェーン・バーキンがどれほど多くの人々を惹きつけたかをアントニオーニ監督の初期作品「太陽は知っている」(ルカ・グァダニーノが「胸騒ぎのシチリア」でリメイク)や「欲望」などで知ることができる。存在自体がファッションアイコニック。しかし若い頃、彼女は口パクでライブをこなしたことをこの映画で暴露する。 まさにアイドルという幻想を行きたジェーンと娘のシャルロットが同期してゆく物語。ドキュメンタリーというにはあまりにも出来すぎている。なぜならふたりとも女優だからだ。カメラの向こうの被写体は明らかにお互いをリスペクトして演じている。 冒頭から日本の風景(ジェーンの日本公演)が描かれて驚かされる。京都のホテルで二人が対話するシーンから衝撃的だ。シャルロットは母が自分と疎遠だったと突きつけると、ジェーンは「あなたは近寄りがたい特別な存在だった」と応じる。推測だが、最初の構想はシャルロットがジェーンに激しく詰め寄るドラマを想像していたのではないか。しかし冒頭のこのシーンで、母が自分(シャルロット)を娘以上の存在であることが明かされ、ふたりの関係は瓦解してゆく。 偶然だが、この映画の前に見た「パトリシア・ハイスミスに恋して」という映画とは真逆の世界。疎遠だった母娘が実は心の底で愛し合っていた、あるいか同期していた、という現実は感動的だ。愛されていないと思っていた母親と海辺で最期に抱き合い感動は言葉にしがたい。 ジェーン・バーキンという作られたアイドルの晩年を描く誠実な作品に心を揺さぶられる。これほど愛情に満ちた関係がこの世に存在するのだろうか。
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