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鑑賞日 2025/06/11  登録日 2025/06/11  評点 81点 

鑑賞方法 VOD/U-NEXT 
3D/字幕 -/字幕
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超難解

全く理解できなかった。鑑賞中ずっと同調できないような映画。父親から徹底的に嫌われる次男の話し、とするにはあまりにも短絡的だ。解説がないと鑑賞に耐えられない。

旧約聖書の「カインとアベル」を示す。映画では兄が弟を殺すことはないが、弟と婚約者の関係に嫉妬して狂気のまま自ら戦場に向かう。戦争に絶対反対としていた兄が、自殺行為とも言える戦場へと向かうのだ。記者の窓ガラスを頭で割ると、それを見た父親も発狂する。

兄は第一次世界大戦渦で、ドイツ人の移民がいじめられるのを守ろうとする正義感のある人物。父親も兄を溺愛する。しかしジェームス・ディーン演じる弟は父親に好かれたくて、父と別れた娼館を営む母親に金を借りて、父親が受けた損害を補おうとする。しかし父親はそんな弟をも否定する。(このシーンはアドリブだったそうだ。メソッド演技の極地)

善を徹底的に貫こうとするクリスチャンの父と兄、その正義感が必ずしも善い結果をもたらさないことを映画は伝えようとする。兄のフィアンセであるアブラが父親に「あなたは別れた奥さんが悪くて弟(ジェームス・ディーン)を嫌っているんでしょ?」と図星を突かれる。ちなみに別れた妻役のジョー・ヴァン・フリートはアカデミー賞を受賞している。

聖書の教えで”許し”を常とするカトリック的な考え方もまた矛盾に満ちていることをこの映画は教えてくれる。迫害されるドイツ移民を守ろうとして兄も狂い、農場を経営する父も狂う。狂った父親が横たわるベッドでうつむく弟の背中が何かを物語る。

これはもしかするとホラー映画ではないのか?