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波止場(1954)
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いま見返すと、極めてオーソドックスな演出に見えるが、マーロン・ブランドをはじめとする著名は俳優の圧倒的なインパクトと、波止場のモブシーンなど、ボリス・カウフマン(「12人の怒れる男」など)の力技とも思えるカメラワークが際立つ。 エヴァ・マリー・セイント、リー・J・コッブ、マーティン・バルサム、ロッド・スタイガーなど、その後のキャリアでも幅広く活躍した俳優はキャスティングされている。 マーロン・ブランドの演技で個人的に印象的だったのは、イディ(エヴァ・マリー・セイント)と酒場で会話するシーンで、思いた伝わらずしょげこむシーンが見事だったと思う。主人公に複雑な内面を見事に演じる。メソッド演技のある到達点を示す演技だったと感じる。 主人公のテリーが裏切る行為を、キリストを密告したペトロに重ねる説が、誰もが傍観者となって強い力に屈してしまうことの愚かさを示す。誰もがもつ無力感を強く示すもので、テリーが立ち上がり仲間を引き連れてボスのジョニーを置き去りにするラストは、見る者に勇気を与えるものではあるが、彼もまたジョニーと同じ道を歩むことになる可能性をほのかに残す。 奇しくもブランドがその後演じた「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」など後世に名を残す決算で演じた役が、この映画のアンサーになっているようで皮肉だ。傑作には、どちらにも読み取れうるテーマが常に隠されているということだろうか。 現代に生きる我々もまた、この映画の傍観者たりうるという意味で、学びの多い映画だと思う。
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