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ジョーカー(2019)
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バッドマンの宿敵ジョーカー誕生秘話を描いた作品。 今回は最近のDC路線から『ダークナイト』に戻った感じです。 70年代のコメディ映画を感じさせるクラシカルなタイトルロールもセンスの良さを感じます。 DCの魅力のひとつは、悪役にあると思います。 特にバッドマンに関しては、人間がヒーローとなっている。 ジョーカーを演じるホアキン・フェニックスの悲哀溢れる表情に、ヒューマニズムを感じずにはいられない。 白闇の中で踊る姿は美しく、悪役というにはピュア過ぎる。 また、悲しみを隠すために口角を指で上げて笑おうとする。 笑われるのはいいが、笑い者にされるのは許せない。 道化師でありながら、人として高貴なものを感じました。 人を笑わせるコメディアンを目指すアーサー。 病気の性でいつも笑っているのが逆に切ない。 そんなアーサーが戦うのは理不尽な社会や権力者。 弱者の代弁者のようなジョーカーに、魅力を感じずにはいられなかった。 殺伐とした世の中で、誰も気づかない存在。 街中の人間がピエロの面を被るのは、誰もがジョーカーになり得るからだと思います。 決してゴッサムシティの話ではなく、現代社会へのメッセージにも思える作品でした。
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