教養ある中年男の、ローティーンの少女に対する、耽美と溺愛の、異常な愛欲生活を描いた問題の書「ロリータ」の映画化である。原作小説は、ケンブリッジ大学で勉学中、祖国を失った亡命ロシア作家ウラジーミル・ナボコフが、1954年に6年がかりで書きあげたもので、世界的なベストセラーとなった。監督は「スパルタカス」のスタンリー・キューブリック。脚色は原作者のナボコフが自ら担当し、「ナバロンの要塞」のオズワルド・モリスが撮影、「オーシャンと十一人の仲間」のネルソン・リドルが音楽を受け持っている。出演者には、14歳の少女スー・リオンが抜擢された。その他の出演は「ザーレンからの脱出」のジェームズ・メイスン、「明日なき十代」のシェリー・ウィンタース、「マダムと泥棒」のピーター・セラーズ、「三十九階段」のマリアン・ストーンなど。製作はジェームズ・ボブ・ハリス。