大手銀行副頭取の秘書として働く山本舞子（長谷川奈央）。誰もが振り向く美貌を備え、周囲の憧れの的である彼女だったが、夜の顔は銀座の高級クラブのホステスであった。仕事をしながら、自分の美しさに相応しい男性を品定めする舞子。そんなある晩、ついに彼女が本当に待ち望んでいた人物がやって来る。将来の総理大臣有力候補といわれる塩村太郎（市原綾真）。太郎が舞子に惹かれるまでにそう時間はかからなかった。すべては彼女の思惑通りに事が運び、結婚の準備が着実に進められていく。だがある日、太郎は、人生の師である教祖・橘勝子（芦川よしみ）から、舞子が“九尾の狐”に取り憑かれた妖魔であると告げられる。そんななか、太郎はあるきっかけから舞子の裏の顔に気付いてしまう。それでも、彼女にも良心があると信じたい太郎の葛藤は膨らんでいく。そして結婚式当日、果たして二人の運命は……。