実業家のホソカワ(渡辺謙)は通訳のゲン(加瀬亮)と共に、南米某国の副大統領邸でのパーティーに赴く。ホソカワは愛してやまない世界的なソプラノ歌手ロクサーヌ・コス(ジュリアン・ムーア)のサロンコンサートを心待ちにしていた。このサロンコンサートはホソカワの会社の工場誘致を目論む主催者が企画したもので、現地の名士や各国の大使も集まった。女神のようなロクサーヌの歌声が流れたその時、突如テロリストたちがなだれ込んでくる。テロリストたちは副大統領邸を占拠し、収監中の同志の解放を要求。赤十字のメスネルを介し政府と交渉するものの、平行線が続く。膠着状態が続く中、ロクサーヌの歌をきっかけに、貧しく教育など受けられるはずもなかったテロリストたちと教養に溢れた人質たちの間に交流が生まれ、互いに親子や師弟のような親しみを覚えるように。しかしそれも終わりの時が近づき……。