“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”は、アメリカの偉大なギタリスト、ライ・クーダーがキューバを旅した際に出会った地元の老ミュージシャンに声をかけて結成されたビッグバンド。そこには、当時92歳のギタリストを筆頭に、かつて第一線で活躍したベテラン歌手や音楽家たちが集まってきた。1997年にライ・クーダーのプロデュースで発売されたアルバム“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”は、ワールド・ミュージックのジャンルとしては異例の900万枚を売り上げ、世界を驚かせた。そしてそのアルバムはグラミー賞を受賞。さらに、ヴィム・ヴェンダースが彼らの音楽と人柄に惚れ込んで監督したドキュメンタリー映画も全世界で破格のヒットを飛ばし、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補に。日本でもミニシアターの枠を超える大ヒットとなり、その熱狂は音楽、映画に止まらず、サルサダンスのブームやキューバレストランの流行、キューバへの直行便が就航するほどの社会現象を巻き起こした。それから18年。平均年齢 73才となった5人の現メンバーがさよなら世界ツアーを決行。カメラは彼らのプロとしてのキャリアの浮き沈み、これまでのパーソナルな旅路やメンバーの死にも迫る。