ある時代の東京。病気の母親と暮らす14歳のみどり(中村里砂)は、家を出て行った父親の代わりに花売りをして家計を助けている。ある日、みどりが家に帰ると母親はすでに息絶えていた。一人ぼっちになったみどりは、地方巡業に回る赤猫サーカス団の団長・嵐鯉治郎に下働きとして拾われる。サーカス団には、怪力自慢の赤座、美少年のカナブン、蛇使いの紅悦、足芸の鞭棄、異人の海鼠、蟻男といった個性的で怪しげな面々がいた。みどりは苛めにあいながらも健気に日々を送り、東京の我が家を懐かしんでいた。ある日、ワンダー正光という超能力者がサーカス団に入る。苛められるみどりを見たワンダー正光は彼女を気にかけ、自らの超能力で不思議な光景を見せる。みどりは次第に彼の優しさに心を寄せるようになる。ワンダー正光の評判はあっという間に広がり、サーカス団は大盛況となる。彼の人気に嫉妬した団員たちはみどりを苛める。みどりのことを愛していたワンダー正光はそれに怒り、超能力で団員たちを従わせる。それに嫉妬した鞭棄は力ずくでみどりを振り向かせようとするが、激怒した正光の超能力によって殺される。その光景を見たみどりはワンダー正光を恐れ、避けようとするが……。