売れない映画監督のサワダは、大学の同級生・サナガワと一緒に作った自主映画でインディーズ映画祭のグランプリを獲得する。サワダはその賞金をもとに、さらに大きな映画を作ろうと意気込む。ある日、アルバイトをしている居酒屋で、お客として来ていた小劇団のメンバーたちと意気投合し、サワダの作品に出演してもらうことが決まる。その中には、お笑い芸人として人気絶頂のゴギョウをはじめ、人気モデルのカブや、看板女優のナズナなどがおり、サワダにとってもまたとないチャンスだった。書き上げた脚本のタイトルは「7s」で、7人の天才詐欺集団が世のため、人のために詐欺を行うというスリリングな内容だった。スタッフも集まり、いよいよ映画がクランクインする。序盤の撮影は順調だったが、徐々にその空気に暗雲が立ち込める。俳優の遅刻、スタッフ内の喧嘩、制作部の失踪、キャストの突然の降板と問題が頻発し、ついには撮影したデータが消えてしまった。資金も底をつき、映画「7s」は未完のまま撮影がストップしてしまう。3年後、スタッフ、キャストはバラバラになり、「7s」の話をする人はいなくなっていたのだが……。