東京で祖母・あきゑと暮らす出版社員の飯塚真紀は、大手建設会社で働く中村和典との結婚が間近に迫っていた。そんな中あきゑが亡くなり、真紀が遺品を整理していたところ桐の箱に入った白無垢と夫の欄に秋国宗一と書かれた婚姻届の束を見つける。納骨のために生まれ故郷の出雲へ向かった真紀は、秋国宗一に祖母の死を伝えようと婚姻届の住所を訪ねるが、彼は転居していた。かつて神楽の担い手をしていたしじみ漁師の大森充の力を借りながら秋国宗一を探す真紀。充は、周囲と出雲に対する考えに隔たりがあり憤慨していた。出雲で一緒に過ごすうちに、自分の中で何かが変わっていくのを感じる二人。一方、東京の和典は真紀と秋国宗一を結びつける手紙を見つける。そして花火大会の夜、それぞれの縁がつながっていく――。