32歳の福田辰男、通称“福ちゃん”(大島美幸)は、ボロアパート「福福荘」に住む塗装職人。栃木から中卒で上京してから十数年、ずっと福福荘に住み、同じ仕事を続けている。昼間は仕事で汗を流し、夜はアパートの住人同士のトラブルを解決、休日には近くの河原で趣味の凧あげに精を出す、そんな毎日を送っている。誰にでも分け隔てなく親切をふりまく人気者の福ちゃんだが、恋愛にはオクテで実はかなりの女性恐怖症。なにかと福ちゃんを気に掛ける親友のシマッチ(荒川良々)がセッティングしてくれたお見合いの場も、福ちゃんは台無しにしてしまう。そんなある日、福福荘に見知らぬ美女が訪ねてくる。その名を聞き、驚く福ちゃん。それはおよそ20年ぶりに会う初恋の人、杉浦千穂(水川あさみ)だった。福ちゃんを女性恐怖症にしてしまった中学校時代の事件について謝りに来たという千穂を最初は拒否する福ちゃんだったが、カメラマン修行中という千穂の撮影に巻き込まれていく中、福ちゃんは千穂への恋心を募らせていく……。