映画製作者バリー・デトワイラー(ウィリアム・ホールデン)は、伝説の女優フェドーラ(マルト・ケラー)をスクリーンにカムバックさせる為に、ギリシャの小さな島にやって来た。フェドーラは、数十年間栄光に輝いたハリウッドのスターとしての座を去り、今はこの碧く美しいエーゲ海に面した孤島の別荘“ヴィラ・カリプソ”に住んでいた。バリーはフェドーラに面会を求めたが、秘書のミス・バルフォアー(フランセス・スターンヘイゲン)は、冷たくそれを拒む。ホテルに戻ったバリーは、そこでフェドーラの主治医であるドクター・ヴァンドー(ホセ・フェラー)と会い、フェドーラのカムバックへの協力を申し出る。そしてヴァンドーのポケットに、一冊の脚本をそっとしのばせる。翌日、フェドーラの使いがバリーを迎えに来た。しかし、彼を迎えたのはソブリアンスキー伯爵夫人(ヒルデガード・ネフ)で、彼女はバリーの脚本を痛烈に批判する。ところがフェドーラはその脚本を気に入り、彼女の最後の出演作で共演したマイケル・ヨーク(マイケル・ヨーク)を共演者に指名し、カムバックすることを承諾する。彼女のカムバックは、バリーの予想どおり大成功、以前にも増して美しいフェドーラは世界中の話題になった。しかし、予想外の問題が起きた。フェドーラがマイケル・ヨークに恋をしてしまったのだ。公私にわたってマイケルに接近するフェドーラ。しかし、彼女は絶えず何者かにおびやかされていた。彼女を取りまく伯爵夫人やヴァンドー、バルフォアーなどの様子も異常だ。真夜中、バリーは、フェドーラの訪問をうけた。彼女はバリーに何かを打ち明けようとするが、ヴァンドーとボディガードが現われ彼女を連れ去ってしまう。次の日、バリーは“ヴィラ・カリプソ”を訪れ、そこで何冊にもおよぶフェドーラのサインの練習帳、タンスいっぱいの白い手袋などを発見し、全ての謎を解いた。しかし、彼はその瞬間、ボディガードに殴り倒され気を失う。バリーが正気に戻ったのは、それから1週間後のことだった。彼はフェドーラの自殺を知る。パリの葬儀に参列したバリーは、そこで葬儀を取りしきる伯爵夫人らの姿を目にする。バリーは伯爵夫人に向かって言う。「フェドーラを死なせたのはあなただ」。しかし、なぜか彼女はバリーの若い頃の愛称“ダッチ”を使って彼に沈んだ声で語り始める。実は、この伯爵夫人こそがあの大スター、フェドーラの真の姿であり、自殺したのは彼女の実の娘だったのだ。