4階建てのやや古びたマンションで、出張から戻る彼氏の部屋に向かう谷口麻衣(永尾まりや)。手慣れた手つきで403号室の鍵を開けると、中で見知らぬ7人の男女が激しく揉めていた。間違いなく彼氏の家に入ったはずの麻衣は、理解不能なその状況に混乱する。7人ともこの部屋が自分の部屋だと思っており、麻衣が入ってくるまでに何度も同じ質疑応答を繰り返し、1部屋を9人の人間がシェアしているのではないかと推測していた。そしてそれぞれが持つアルファベットが刻まれた鍵が、部屋を出るためのヒントだと考えていた。さらに、浴室には身元不明の死体が置かれていた。混乱の中、この部屋の住人の一人の通報で呼ばれた警察官と大家が、403号室のドアを開ける。しかしそこは空室で、部屋の中には誰もいなかった。警察官は通報者の携帯に電話し、このマンションが明日解体されることを告げる。明朝のマンション解体までに死体を殺した犯人を見つけ、鍵に仕組まれた謎が解ければ外に出られるようなのだが……。