江戸時代末期。幕府に背いて流刑となった武士・早坂憲吾(市瀬秀和)は、極寒の佐渡島へと流される。そこで憲吾は、同じ流人船に乗り合わせた女たちと共に生活を送っていた吉原の女郎・お雪(西条美咲)と出会う。やがて、憲吾とお雪は愛し合うようになり、憲吾の子供を身ごもったお雪だが、憲吾はいずれ赦免されるだろうと考えていた。独りで子供を育てる自信のないお雪は堕胎を決断、厳しい自然の中で自らを痛めつけるのだった……。野草に紅い花が咲き乱れる春のある日、赦免状が憲吾のもとに届く。島の流人たちが信じる「春に紅い花が咲く頃、お赦免船が来る」という伝説の通り、赦免船の来る日が近づいていた……。