ロンドンの中東戦略研究所に勤める、アメリカ出身の学者ローレン・スロータ(シガニー・ウィーヴァー)は生活は質素、亭主とも離婚直前の別居状態、おまけに強く望んでいた実地調査のためのクウェート行きの切符も同僚の手に渡ってしまい、ショックに打ちひしがれていた。そんな折、アングロ・アラブ投資信託銀行のヴァン・アーカディ(キース・バックリー)と名乗る男の誘いに乗り、売春クラブであるジャスミン社のドアを叩き、夜の女としての二重生活を始めた。素顔のままで堂々と男たちに接するローレンの評判は極めて良かった。ある夜彼女は、客の1人として中東の権威、ブルベック卿(マイ・クル・ケイン)と知り合い、愛し合うようになる。ブルベック卿は中東和平協定の代表者で、そのため協定を阻止しようとするテログループから常に命を狙われていた。状況が厳しくなり、その愛は深まっていったが、その間にもローレンにはアーカディの知人でパレスチナ人らしきカリム・ハタミ(ナディム・サワルハ)やソニイ(ヴィンセント・リンドン)といった客が近付いて来た。ブルベックと出直したいと願うローレンは、ハーフムーン街のマンションに引っ越し、ジャスミン社とすっかり精算する。ベルベックが平和協定のため中東の地へ降り立った頃、突然、彼女の部屋にソニイが訪れた。彼は狂気の狙撃者と化していた。とっさの判断でソニイをバスルームにおびき出した彼女は、夢中でとどめを刺した。だが間もなく、彼女の前に銃を構えたカリムが立っていた。全ては背後でアーカディが糸を操っている、仕組まれた罠であった。