シルヴィアはフランス人で裁縫師だった母を失ってからは、ろくでなしの父親ヘンリーの足手まといにならぬため、男装してシルヴェスターと名乗っていた。ヘンリーは知り合いになったイカサマ師のウリーと相棒となり世刈らぬことを働いて暮らしたが、あるひシルヴェスターの失策から、にっちもさっちも行かなくなった。モンクリーはウォルタス卿の女中になっているモーディーを訪ねて食事なりともありつこうとした。モーディーは女優志望だったので、ヘンリーは歌劇プロデューサーに化けて言った。そして結局モーディーの御金を資本に、4人は田舎廻りの小劇団を組織して巡業することとなった。ある街で彼らはマイケル・フェーンと知り合った。シルヴィアはフェーンに恋をしたが、彼は少年として遇するので、意を決して女の衣装を盗んでシルヴィアはフェーンのアトリエを訪れた。ところがフェーンはリリィという昔馴染みのロシア女に操られてシルヴィアを少女扱いにするのだった。一方、モーディーに深く想いをかけているヘンリーは、嵐の夜逃げ去ったモーディーを捜そうとして、断崖から落ちて死んでしまった。リリィはフェーンとの仲がうまくいかないのと、寄辺ない身の上を悲観して入水したが、シルヴィアは彼女を救った。そしてフェーンにかくと急報し、フェーンと共に戻ると、かねてリリィに岡惚れしていたモンクリーは人事不省の彼女を乗せたまま、自動車で逃亡した。フェーンとシルアは2人を追い、ロンドンへ行く列車上で、はしたなくもリリィとモンクリーが同車していることを気づいた。その場になって、シルヴィアはフェーンがリリィを愛し続け、フェーンはシルヴィアがモンクリーと恋仲であるとばかりに誤解していたことが初めてわかったので、あらためてシルヴィアもフェーンも、互いに愛しあっていることを告白して、リリィをモンクリーに託したまま、2人は列車を降りて幸福を求めるべく出発した。