1856年、アメリカの南部。インディアナ州レインツリー郡のフリーヘヴンの町。この郡の偉大なる「レインツリー」の伝説を、卒業の言葉に戻った学生たちの中に、特に強い感銘を受けた1人があった。自分こそはこの樹を見つけるんだと、頬を輝かせるジョン・ウィクリフ(モンゴメリー・クリフト)だった。ジョンは同級生のネル・ゲイサー(エヴァ・マリー・セイント)と相愛の仲だった。ジョンは彼の冒険に同意しないネルを、1人置いて旅立つことにした。ある日、卒業記念の写真を撮りに行ったジョンは、そこでものすごい美人に出会った。彼女の名はスザンナ・ドレイク(エリザベス・テイラー)といい、南部の名門の令嬢であった。スザンナは、ジョンがもし独立記念日の徒競走に勝てば、レインツリー郡の英雄として、樫の葉の冠を贈る約束をした。7月4日の当日、ジョンは寸差で本命のパーキンスを破ってしまった。約束通りスザンナから勝利の冠をもらい、2人は一緒にパラダイス湖の水泳パーティに出かけた。スザンナが明日ニューオルリンズに帰ることを聞いたジョンは、俄に彼女が別れ難い人に思えて来た。スザンナとても同じで、2人は永遠の愛を誓いあった。2ヵ月経って、スザンナが訪ねて来た。スザンナには愛の結晶が宿っていた。2人は結婚してニューオルリンズで家庭を持ち、幸福な生活を始めた。1861年、サムター砦が攻撃されたのをきっかけに、南北戦争が勃発した。その年スザンナは男の子を生んだ。ところがドレイク家には、狂人の血統があるとか、前々から健康にすぐれなかったスザンナの容態が出産を機に悪化した。そして完全に精神障害を起こし、スザンナは子供のジムを連れて、南部のインディアナポリスに行ってしまった。ジョンが南部に行く唯一の手段は、北軍に加わることで、スザンナを探す苦闘の生活が始まった。長い戦争が終わった。ジョンはスザンナを連れてフリーヘヴンに帰って来た。ある日、スザンナは夫の探すレインツリーが、パラダイス湖にあるというイメージにとりつかれた。ジムを連れて、彼女はパラダイス湖の沼地に出かけていった。翌朝、スザンナを探すジョンは、沼地に落ちて死んでいるスザンナを発見した。沼地で母を見失ったジムは、いつの間にか巨大な樹の下にいた。樹は黄金の花に包まれていた。少年はポケットに花をつめて、父の呼び声のする方へかけ出していった。ジムを抱きあげたのはネルだった。傷心のジムを彼女は変らぬ愛で、やさしくなぐさめるのだった。ジョンとジムは、レインツリーの沼をいつまでもみつめていた。沼にはその静寂の中に新しい未来が息づいているようだった。