金沢市郊外の救急センターで、事故に遭った患者の緊急手術が終わる。担当した看護師(国分佐智子・二役)が、止血剤をエピネフリンと言った医者に、アドレナリンと呼ぶべきだと反発した。その看護師・真里子は、アドレナリンの結晶化に成功した科学者、高峰譲吉の妹・順(国分佐智子・二役)の曾孫であった。高峰博士はアドレナリンのほかに消化剤タカヂアスターゼも発明し、エジソンやロックフェラーと並んで讃えられたにもかかわらず、正当な評価を受けていないことを真里子は悔しがる。そんな真里子を通して、高峰譲吉の知られざる生涯がひも解かれていく。1883年、譲吉(加藤雅也)は英国留学から帰国する。そして、代々続く家業の医者を継ぐのではなく、万人の命を救いたいと、科学者として生きることを父に伝える。翌年、30歳の譲吉はニューオリンズを訪れ、18歳のアメリカ人女性キャロライン・ヒッチ(ナオミ・グレース)と運命的な恋に落ちる。しかし当時の国際結婚は順風満帆とは程遠く、2人は波瀾と試練の日々を送る。しかしその困難を乗り越え、2人は次々と奇跡を起こしていく。