チャーリー・セント・クラウド(ザック・エフロン)は、女手一つで家計を支える母のクレア(キム・ベイシンガー)、自分を慕う11歳の弟サム(チャーリー・ターハン)とともに暮らす高校生。ヨットの才能に恵まれた彼は、スポーツ奨学金を得て大学進学が決まっていた。だが、卒業式の夜が運命を変えた。大規模な自動車事故に遭遇した彼は、奇跡的に命を取り留めるが、同乗していたサムは帰らぬ人となる。弟を守れなかったことに強い罪悪感を覚えるチャーリー。葬儀の最中、いたたまれなくなった彼は、逃げるように墓地の裏手の森へ駆け込む。かつて2人は、ここで一緒に野球の練習をすることが日課となっていた。だが今はもう、キャッチボールの相手はいない……。その時、目の前に赤いジャンパーを着たサムが現れる。驚きながらも弟との再会を喜ぶチャーリー。2人はこれから毎日、夕暮れの時間に何があってもこの場所で練習を続けるという約束を交わすのだった。そして5年後。進学もヨットも諦めたチャーリーは、約束を守るため、サムを埋葬した墓地の管理人として暮らしていた。ところが、高校の同級生で、ヨットレースのライバルだったテス(アマンダ・クルー)が故郷へ戻ってきたことを知り、彼の心は揺れ動く。自分が失った夢を追い続けている彼女に、眩しさと羨ましさを覚えるチャーリー。心の中で、日増しにテスのウェイトが重くなっていく。そんな兄の変化を敏感に感じ取るサム。テスと一緒にいると、サムが遠くなってしまう。弟を失いたくない気持ちと、テスへの想いの間で揺れ動く。やがて訪れる選択の時。嵐の海でテスが遭難。捜索が難航する中、チャーリーは迷うことなく救出に向かう。事故以来、出ることのなかった海へ。テスを捜し続けるチャーリー。サムとの約束の時間が過ぎてゆく。“ごめん、約束を破るよ”チャーリーが森で待ち続けるサムにそう呼びかけた時、想像もしなかった奇跡が起こる……。