昴(桑代貴明)としずく(北村沙羅)の兄妹は、東京で母親の夏子(桜井幸子)と暮らしていた。しかし夏子が入院することになり、5年前に離婚した父・大慈(船越英一郎)の暮らす北海道に行くことになる。大慈は野生動物救命所の獣医をしていた。慣れない父との生活に戸惑う兄妹だったが、美しい大自然や野生動物たちとの触れ合いを通じて、少しずつ寂しさを紛らせていく。また、大慈の妹で動物カメラマンの千恵(深田恭子)や、牧場で働いている拓馬(濱口優)らも、兄妹を優しく見守っていた。ある日、しずくは1匹のオオカミに似た子犬と出会う。母親と離ればなれになった子犬に自分の境遇を重ねたしずくは、世話をすることを条件に飼う許可をもらう。しずくは子犬にウルルと名付ける。野生動物保護協会の分子生態学者・長谷部(光石研)が大慈の家を訪れる。長谷部はウルルが犬ではなく、絶滅したと言われるエゾオオカミの可能性が高いと告げ、しかるべき機関に預けるべきだと主張する。昴としずくは、ウルルを預けたら二度と戻って来ないと思い、母親オオカミにウルルを返すことを思いつく。アイヌ語で“オオカミの棲むところ”という意味を持つ伝説のオオカミの国“ホロケシ”を目指し、2人はウルルを連れて旅に出る。