東京の製薬会社に勤務する岩津(寺脇康文)は37歳の営業部課長。部下や上司の間に挟まれながら、日々の仕事に追われている。ある夜、岩津の携帯に少女の声で電話が入るが、酷く疲れていた岩津はその声を気に留めることもなく眠りについてしまった。数日後。今度は昼休みに岩津の携帯が鳴る。今日会えませんか、という先日と同じ声を訝しがる岩津であったが、すぐそばの歩道橋に電話の主の少女・香奈(寺島咲)がいるのを見つける。岩津が通っていた中学の制服を着た香奈は、岩津の年齢や、彼が独身であることまで知っていた。学校で岩津の載った昔の卒業アルバムを見て、西宮から来たのだという。香奈は岩津を旅行に誘うが、岩津はそんな香奈を相手にせず家に帰るよう諭す。しかし、岩津は香奈の仕組んだ強引な手段に引っかかり、流れのまま自分の故郷、神戸まで行くことになってしまうのだった。香奈は、岩津を彼が15歳まで過ごした西宮へと連れて行き、母校の中学校を訪ねる。香奈によって岩津の過去が次々と呼び覚まされ、岩津の記憶は古い8mm映画を見るように蘇ってくる。その中には、岩津が中学時代に付きあっていた昌子(上田結)の姿があった……。