中国・五代十国、後唐の時代。“菊の節句”とも言われる9月9日の重陽節。永久の繁栄を祈る祝祭の日を前に、遠征に出ていた王(チョウ・ユンファ)と外地に赴いていた第二王子・傑(ジェイ・チョウ)が王宮に帰ってくる。しかし、王宮内には秘密の匂いと不穏な空気が渦巻いていた。王と王妃(コン・リー)の関係は既に冷え切っており、王妃は継子である皇太子・祥(リウ・イェ)と長年に渡って不義を続けていた。王は病気がちな王妃をことさらに気遣い、自ら腹心の宮廷医に命じて、特別な薬を調合させている。王妃はそれを毎日、決められた時間に飲んでいた。一方、皇太子は王妃との関係を断ち切りたいと願いながらも叶えることができず、密かに付き合っている宮廷医の娘・蒋嬋(リー・マン)と一緒に王宮から脱出することを夢みている。久しぶりに母親に再会した傑は、明らかに衰弱している母親の様子を気にかけながらも、病身を押してまで菊の刺繍を続けるその姿に不吉な予感を覚えるのであった。王妃は宮廷内に密偵を放ち、自分が毎日飲んでいる薬の中身を突き止める。しかし、それが毒と分かっていながらも、王妃は飲むことをやめようとはしなかった。王妃の密偵を務めたのは、宮廷医の妻・蒋氏(チェン・ジン)であり、彼女もまた王に恨みを抱いていた。誰もが素知らぬ顔で表面だけを取り繕いながらも、それぞれ胸に秘めた策略を練り上げていく。それは、王家の中で、唯一汚れを知らない無邪気な存在に思えた第三王子・成(チン・ジュンジエ)も例外ではなかった……。