アメリカの田舎町。ヘンリー・チナスキー(マット・ディロン)は、仕事中に酒を飲んでまたクビになった。彼は言葉を何よりも愛する“自称”詩人で、いつか“作家”になるかもしれない飲んだくれ。住む家も金もなく、様々な職に就くがどれも長く続かない。原稿を出版社に送っても一向に相手にされない。それでも、作品の価値を最後に決めるのは作家自身だと信じ、今日も原稿をポストに送り込む。ある日、いつものようにバーで飲んでいたら、ジャン(リリ・テイラー)という女に会う。チナスキーは酒をおごって、三日後にジャンの家に転がり込んだ。明日のことなんて何一つ見えない、酒とセックスだけの日々。そのうち、人に愛は要らないと言い、行かないよう懇願するジャンを振り切り、チナスキーは彼女の家を出た。チナスキーはバーで会った新しい女(マリサ・トメイ)の家に行った。女にはオペラ作家のパトロンがいた。そこには何人か女がいて、彼らはチナスキーを歓迎。つかの間の仲間ができたが、パトロンは死に、チナスキーは女と別れた。両親の家に行くも、働かず酒ばかり飲むチナスキーに両親はあまりにも冷ややかだった。チナスキーはジャンを探して昔なじみのバーを彷徨う。ようやく探し出したジャンは、ホテルのメイドをしていた。チナスキーが愛していると言うと、ジャンは、バカね、と答える。二人はまた一緒に暮らし始めたが、ジャンは何日も帰ってこないことがあり、チナスキーは毛じらみをうつされ、採用されてもその日のうちにクビになるなど、何もかもうまくいかない。ジャンは出て行った。チナスキーだってひとりは寂しいし、失うことに慣れたわけではない。しかし、どんなにみじめで冴えない日々でも、いつだって太陽は毎日昇る。チナスキーには言葉がある。それはろくでなしのチナスキーをほのかに照らすたったひとつの優しいひかりであり、彼に少しでも希望と温もりを与えてくれるのかもしれない。