フランスの片田舎。ネズミのレミー(声=パットン・オズワルト)は天才的な嗅覚と味覚を持ち、いつの日かシェフになることを夢見ていた。もちろん、それが叶わぬ夢と知りつつ。人間のキッチンにとって、ネズミは最も嫌われる存在だからだ。しかしある日、古巣を追われた家族と逃亡の途中ではぐれてしまったレミーの前に、彼が最も尊敬する亡き天才シェフ、グストー(声=ブラッド・ギャレット)のゴーストが現れる。グストーはレミーを、パリにある自分が経営していたレストランにまで導いた。ちょうどその頃、グストーの店では、シェフ見習いのリングイニ(声=ルー・ロマーノ)がヘマをしてスープを台無しにしていた。その様子を見ていたレミーは、思わずキッチンに乗り込んで見事にスープを作り直すが、それをリングイニに目撃されてしまう。しかし料理の才能がないことを自覚していたリングイニは、レミーを帽子の中に隠して、彼の指示通りに料理することを思いつく。こうしてレミーとリングイニのコンビの料理はパリのグルメたちを魅了し始めるが、陰険な料理長のスキナー(声=イアン・ホルム)は彼らに疑いの目を向けていた。やがてリングイニは同僚の女性コレット(声=ジャニーン・ガロファロー)と恋に落ち、高まる店の評判とは逆に、リングイニとレミーの仲は次第にぎくしゃくしていった。やがてリングイニの心ない言葉に傷ついたレミーは店を飛び出すが、反省したリングイニのもとにまた戻ってくる。だが、ネズミが料理していた真相が周囲にバレてしまった。そして店には、かつてグストーを酷評した辛口評論家のイーゴ(声=ピーター・オトゥール)がやってくる。彼はレミーの料理に心底感動し、ネズミが料理していると知りながら、リスクを冒して絶賛の記事を書く。このことでイーゴは権威ある評論家の地位を追われるのだが、レミーがリングイニやコレットと新しく開いた店で、おいしい料理を堪能するのだった。