20世紀の初め、アメリカ人の蓄音機セールスマン、ヴァージル・スミス(ビング・クロスビー)は、フォックス・テリヤの愛犬バトンズを連れて、オーストリアにやって来た。皇帝フランツ・ヨゼフ(リチャード・ヘイドン)に蓄音機を売りつけようというのだ。ふとしたことからバトンズは、伯爵令嬢ジョアンナ(ジョーン・フォンテーン)の愛犬である血統正しい牝のフレンチ・プードル、シェラガーデと出会う。しかしシェラガーデは皇帝の愛犬の配偶と決まっており、やがて犬同士の結婚式が行われることになった。シェラガーデは急に元気をなくしてしまい、診断の結果、バトンズと恋仲になったことが分かった。こうして、ヴァージルはバトンズを連れてジョアンナの邸へ通うことになったが、犬と犬が仲良くなるとともに、飼い主の人間同士も愛し合うようになり、ヴァージルとジョアンナは結婚の約束を交わす。だが2人の身分がまるで違うので、皇帝から結婚の許可が下りるはずもない。ヴァージルはジョアンナに結婚を諦めさせようと、彼女に近づいたのは皇帝に蓄音機を売るためだったと告げる。失望したジョアンナはアロンスン侯爵と婚約し、ヴァージルはアメリカへ帰ることに決めた。ジョアンナの婚約披露舞踏会の夜、シェラガーデはバトンズの子供を生む。仔犬たちはみな白と黒のブチばかりで、バトンズの子供ではないようだ。犬の不義に驚いたジョアンナの父は、仔犬たちを殺そうとする。そこへヴァージルが飛び込んで仔犬たちを救い、これを皇帝の前に持っていく。可愛い仔犬たちを見て皇帝は自分の考えが間違っていたことを悟り、ジョアンナとヴァージルの結婚を許す。かくして恋人たちは身分の差を乗り越えて結ばれるのだった。