ナイスガイ(1996)

オーストラリアを舞台に香港移民の料理人が大活躍する痛快娯楽活劇。監督はジャッキーの盟友で俳優・プロデューサーとしても有名な「七小福」のサモ・ハン・キンポー（武術総指揮・劇中に少しだけ出演も）。製作はチャイ・ラン。製作総指揮はレナード・ホウ。脚本はエドワード・タンとフィービー・マー。撮影はレイモンド・ラム、音楽はピーター・カム。美術はホレス・マー。編集はピーター・チュンとヤウ・チー・ワイ。主演は「ファイナル・プロジェクト」のジャッキー・チェン。共演は「サルート・オブ・ジャガー」のリチャード・ノートン、台湾の歌手・ＣＭモデルで本作がデビュー作のミキ・リー、「ダンシング・ヒーロー」のバリー・オットーほか。なお、本作は、東宝東和宣伝部で長年ジャッキー主演映画の宣伝活動に携わり、ファンクラブ日本支社長も務め97年に逝去した飯田格（ただし）氏に捧げられている。

香港からの新移民で腕利き料理人のジャッキー（ジャッキー・チェン）はオーストラリアで料理の師匠であるバッジオ（バリー・オットー）と共にテレビの料理番組に出演していた。ある日のこと、彼は黒服の男たちに追いかけられていたダイアナ（ガブリエル・フィッツパトリック）を助ける。彼女はテレビリポーターで、マフィアの大物ジャンカルロ（リチャード・ノートン）たちとストリートギャングまがいの凶悪な麻薬ブローカー・悪魔団との銃撃戦のスクープ映像を隠し撮りしているところを見つかったのだ。追っ手を得意のカンフーで撃退したもののジャッキーは間違ってスクープ映像が録画されたビデオを持って帰ってしまう。香港からジャッキーの恋人ミキ（ミキ・リー）が来るが、久しぶりのデートもビデオを取り返そうとするマフィアたちのおかげで台無しに。バッジオの息子で刑事のロメオの勧めもあって、ジャッキーとミキは密かにジャッキーに想いを寄せる番組の助手ラケイシャの家に隠れることにした。マフィアに相棒のカメラマンを殺されたダイアナも駆けつけてジャッキーにビデオを返してくれと迫るが心当たりのない彼は困惑。実はロメオの息子が映画だと思ってビデオを持って帰っていたのだ。ビデオをネタにジャンカルロに一泡ふかせてやりたい悪魔団はラケイシャの家を強襲、ミキを誘拐してビデオを要求する。警察がヘマをしたおかげで取引は決裂、ジャッキーは単身悪魔団のアジトに乗り込んだ。しかし悪魔団を壊滅するためにやってきたマフィアによってジャッキーとミキは捕らわれ、ジャンカルロの屋敷に連れていかれる。ビデオよこせというジャンカルロの要求をつっぱねるジャッキー。ジャンカルロはふたりを裏山の砕石場で生き埋めにしろと部下に命じた。機転をきかせて危機を乗り切ったジャッキーは砕石運搬用の超大型ダンプカーに乗ってジャンカルロ邸に突撃、豪華な屋敷は瓦礫の山と化しマフィアたちは警察に逮捕された。