大統領の犯罪の現場を目撃してしまった盗みのプロが、孤独な闘いを繰り広げるサスペンスドラマ。製作・監督・主演は、これが17本目の監督作となるクリント・イーストウッド。宝石泥棒のルーサーは、忍び込んだ豪邸で偶然、大統領の犯罪を目撃してしまう。ただちにシークレットサービスと補佐官によって証拠が隠滅されるが、ルーサーは決定的な証拠を握っていた。国外への逃亡を考えるルーサーだったが、大統領の偽りの会見に怒りを感じ“絶対的な権力"に戦いを挑む。傲慢な大統領を演じるのは名優ジーン・ハックマン。デイヴィッド・バルダッチの長編小説『黙殺』(邦訳・徳間書店)を、「大統領の陰謀」「マラソンマン」などサスペンスものを得意とするウィリアム・ゴールドマンが脚色。製作はイーストウッドとカレン・スピーゲル、製作総指揮はトム・ルーカー。撮影のジャック・N・グリーン、音楽のレニー・ニーハウス、美術のヘンリー・バムステッド、編集のジョエル・コックス、スタント・コーディネーターのバディ・ヴァン・ホーンら、主なスタッフはイーストウッドと気心の知れた常連の面々ばかり。共演は「ザ・ロック」のエド・ハリス、「真実の行方」のローラ・リニー、「戦火の勇気」のスコット・グレン、「ニュー・エイジ」のジュディ・デイヴィス、「ニクソン」のベテラン、E・G・マーシャルほか。また、イーストウッドの実娘アリソンが画学生役で出演し、父娘共演を果たした。