日本を追われ、組織からも見捨てられた極道の優児は、雨の街・台北に暮らしていた。ある日、優児は昔関係した台湾人女性から「あなたの息子だ」と、チェンという少年を押し付けられる。チェンは追い払ってもただ黙って優児についてきた。優児は台湾マフィアのボス、ホウに雇われ殺し屋となっていたが、そんな姿を見てもチェンは優児のあとを追う。もう一人、日本から来た本阿弥もまた優児を追い、3年もの間、命を狙ってきたが未だに果たせないでいた。ホウから対立組織のクー・チーピンの暗殺を請け負った優児は、道向かいにある娼婦宿で標的の動向を窺う。雨の日は動くなという信条を守る優児は、雨続きの日々を娼婦リリーの部屋で過ごした。リリーもまた雨を嫌い、この街から逃げたがっている。雨があがり、優児はクー・チーピンを暗殺すると彼の金を奪い、リリーを街から逃がそうとしたが、すでにその時には、チーピンの弟クー・フォンが復讐のため優児を追って動き出していた。優児とリリー、そしてチェンの3人の逃避行が始まる。金を受け取ろうとホウに連絡を入れた時、優児はホウの裏切りを察した。3人はリリーの友人のサンデーを頼ったが、サンデーも賞金に目が眩みリリーを裏切る。雨が降り出し、3人にフォンたち追手の影が迫った。優児はふたりを先に逃がそうとしたが、逆にふたりが捕まり、リリーは殺されてしまう。優児に銃口が向けられたその時、チェンが初めてはっきりと声をあげた。その隙に優児はフォンたちを撃つが、チェンを抱きしめた優児は本阿弥に撃たれる。フォンは兄の遺品のライターによって命を救われていた。雨の中に、優児の遺体とチェンだけが残される。