金の落葉がヒラヒラと牧童蝶太郎と牧場主の孫娘ハルミちゃんの肩に散っている。ハルミちゃんは東京にいるというお母さんにあいたくて、権兵衛爺さんと蝶太郎のとこからとび出した。権兵衛さんはどなる、蝶太郎は悲しくて、ハルミちゃんをさがしに山へ入る。--ワラ小屋の中に三人の男。そして蝶太郎を迎えに来たという。三人の男はポンガリヤ国の総理、陸軍海軍の各大臣で蝶太郎こそはポンガリヤ国の英雄チョンタァだという。蝶太郎はポンガリヤ国のまぼろし御殿へつれ帰られた。カチカチ大王はたった一人の姫が都会にあこがれて家出したから勇士チョンタァにつれもどしの大役をおおせつける。もし無事につれ帰れば二人は結婚してチョンタァはポンガリヤ国の王位をつげるのだ。ハルミ姫はハルミちゃんに瓜二つ、チョンタァは勇んで姫つれもどしに出かける。王様からのいただきもの原子ラジオをもって……。さてチョンタァは都会のホテル・ド・ポランチャランにいる姫のところへ来たが、この姫をひそかに恋し、王国の乗取りを企む侍従長ブラックポンポンと腹心の女スパイ、マタパリに妨害される。チョンタァは原子ラジオの大王の放送命令でホテルの部屋の初恋の間、純情の間、艶情の間、狂恋の間、思い出の間、とつぎつぎにさがすがブラックとマタパリのために原子ラジオまでとられてしまう、だがやがて姫の誘かいされたところをつきとめて、大格闘の末、姫をつれもどしメデタシメデタシで、チョンタァは祝いの酒でぐっすりねむる。「オイ、起きろ、蝶太」という声でハッと目をさますとそこはワラ小屋で、権兵衛さんがゆりおこしている。ハルミちゃんは、昨夜のうちに家へ帰ったそうな--、お母さんはとっくの昔死んでしまったことを知って……。牧場に--金の落葉がヒラヒラと、蝶太とハルミちゃんの肩にふりかかる。