浅草三社祭の夜ロッキー座の支配人河野が何者かに殺された。座には新支配人羅生が入って来た。河野の遺児梅子は座の踊り子であった。梅子を秘かに恋する浅草の鬼と呼ばれる旗野梧郎は座を去った旧座員達に背いて座に残っていた。しかし梅子は梧郎の思慕をよそに素人写真家新田を知り愛しあうようになった。梧郎を恋する女掏摸お新は祭の夜すり取った財布のことから河野を殺したのは浅草のシャボン玉売りお喜代の一人息子貫一であることを知った。貫一は羅生の子分原田にそそのかされてこの罪を犯したのであった。一方河野殺し担当の安斎刑事も事件の背後に羅生とその親分のボス黒島が介在しているのをかぎつけた。梧郎もまた羅生達を怪しいとにらみ始めた。暗殺代をもらいに浅草に戻った貫一は話のもつれから原田を殺し彼自身も羅生に殺された。羅生は大阪に高飛びしようとしたがすでに警察の手の廻ったのを知ると梅子をさらって向島の倉庫街に逃げた。それを知った梧郎も後を追った。安斎刑事も警官隊と共に逮捕に向った。激しい射ち合いと格闘の末に一味は捕縛された。梅子は梧郎に救われ新田にいだかれた。それを見ながら淋しく去る梧郎を追うのはお新であった。