沼に囲まれた貧しい小さな村。その村の中学二年B組の松熊先生は本も買えないような貧しい生徒達を励しながら一生懸命教えていた。だから両親のない仙太や母のない松代を始め、勝も春夫もみんな松熊先生が大好きだった。ところが松熊先生の新しい教育のやり方が村の人々に誤解され、村長の胸像除幕式で生徒達が笑った事件がもとで、先生は転任させられた。松熊先生がいなくなって暗くなってしまった学校で、勝たちはもう一度学校を明るく楽しくしようと生徒大会を開いた。「本を買えない者にも分るように叩かないで教えて下さい」「明るく楽しい学校にして下さい」と次次に発言する生徒達の姿に心ある先生方は大いに反省させられ、正しい事をする勇気を教えられた。松熊先生の残した火だねは、こうして子供達の手によって燃え上り、勝たちの胸にも明るい夢と希望か拡がっていった。