男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

「されどわれらが日々」より 別れの詩

  • されどわれらがひびよりわかれのうた
  • ----
  • ----

amazon


  • 平均評点

    66.1点(14人)

  • 観たひと

    17

  • 観たいひと

    4

  • レビューの数

    0

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1971
公開年月日 1971/7/3
上映時間 104分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ カラー/スタンダード
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督森谷司郎 
脚本橋本忍 
岡田正代 
橋本綾 
原作柴田翔 
製作田中収 
馬場和夫 
撮影中井朝一 
美術阿久根巖 
音楽小野崎孝輔 
多賀英典 
録音矢野口文雄 
照明森弘充 
編集岩下広一 
助監督大森健次郎 
スチル橋山直己 

キャスト

出演小川知子 斉藤康子
山口崇 山口伸夫
藤田みどり 岡島京子
木内みどり 葉子
高橋長英 安部弘
北村和夫 福井
南風洋子 由利子
北沢彪 斉藤孝造
福田公子 斉藤啓子
三浦仁 斉藤隆
田代信子 房江
堀川直義 広瀬常務
飯沼慧 文書課長
清水紘治 中田清彦
村井国夫 宮下
大久保正信 安部の父親
辻伊万里 安部の母親
加藤和夫 医者
真木沙織 看護婦

解説

愛し合っていると信じている二人の男女をめぐって、男と女が結ばれる真の愛情とは何かを浮き彫りにしながら、現代の若者の苦悩を描く。原作は昭和三十九年芥川賞を受けて以来、現在まで七十一版を重ね、青春のバイブルといわれる柴田翔の『されどわれらが日々--』。脚本は「暁の挑戦」の橋本忍と、共に劇場用映画はこれが第一作目というシナリオ作家協会シナリオ研究所第十八期生の岡田正代と橋本忍の令嬢橋本綾。監督は「初めての旅」の森谷司郎。撮影は「首」「赤頭巾ちゃん気をつけて」「初めての旅」と森谷監督とコンビを組んできた中井朝一がそれぞれ担当。

あらすじ

太平洋商事のタイピストである斉藤康子は、優しく思いやりのあるエリート官僚の山口伸夫との結婚を秋に控えた婚約期間を送っていた。それは誰の眼から見ても理想的なカップルとして映る平和で楽しい日々だった。一方、康子の同僚である岡島京子は、妻子ある男福井と激しい恋愛関係にあった。それは、康子と伸夫の安定した関係とは対象的な、せっぱつまったものだけに、康子には強く美しい愛に見えた。そんなある日、康子は、学生時代に同じ大学で学生運動のリーダーであった安部の自殺を知った。彼が死の場所として選んだ余呉湖は新緑の林に囲まれた静かな湖である。そして康子と安部が初めて愛情を確認し合った場所でもあった。康子は、安部の純粋さと若々しい情熱に魅せられて愛したのだが、彼が運動に挫折し、仲間を裏切った時、「卑怯者」の声を残して別れた。康子の心を乱したものは、遺書に書かれた「俺は卑怯者だ」という言葉だった。その頃、あれ程激しく愛し合っていた京子と福井の関係は、福井の妻の出現によって破局を迎えようとしていた。しばらく後、会社をやめ、東京を去った京子の手紙には「あらゆるものは茫漠たる彼方に消えて逝く……では、あんなに愛し合った愛とは……この世にあるものは時の流れだけ……」と書かれてあった。このふたつの事件は、康子に男と女の愛についての疑問を呼び起こした。“男と女が愛し合っているとしても、それはある一部分に触れているに過ぎないのではないだろうか”その気持を伸夫に訴えても、彼女が近ずき得ない彼の過去の残像のようなものが康子をひるませた。伸夫の過去。一枚の海をバックにした水着姿の女の写真。その女、葉子は伸夫を激しく求めたが、決して心をのぞかせない伸夫に絶望して自殺した。伸夫は、この事件を語りながら、この青春も時の流れとともに消え去る過去だといいきるのだった。伸夫のアパートから駅にたどりついた康子に大きく激しくのしかかる白い海、伸夫と葉子の幻影に体を押された康子は走り込んできた電車の影に消えた。命はとりとめ、病床にふす康子に対する伸夫の優しい看護。しかし、康子の心は重かった。怪我がなおった康子は、足を引きずりながら伸夫のアパートに行き、いつものように食事をとり、愛情を交した。翌朝、アパートで夜を明かした康子は部屋に置手紙を残し、上野駅へとタクシーを急がせた。「東北のある高校で、英語の教師を求めています。さようなら、伸夫さん。今お別れするのは、あなたと私の本当の意味で再び会うそのためかも知れません。あなたが、あなたのみが私の青春でした」。

関連するキネマ旬報の記事