男性      女性

※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。

NEWS

KINENOTE公式Twitter

夜明けの旗 松本治一郎伝

  • よあけのはたまつもとはるいちろうでん
  • ----
  • ----


  • 平均評点

    66.0点(18人)

  • 観たひと

    28

  • 観たいひと

    2

  • レビューの数

    5

基本情報

ジャンル 伝記
製作国 日本
製作年 1976
公開年月日 1976/10/16
上映時間 110分
製作会社 東映京都映画
配給 東映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

キャスト

出演伊吹吾郎 松本治一郎
浜村純 松本次吉
毛利菊枝 松本ちよ
滝田裕介 松本次七
品川隆二 松本鶴吉
田中邦衛 大谷虎松
長門勇 下田半三郎
道井和仁 下田清
山田政則 成人後の清
小池朝雄 花田慈円
北村英三 宮崎友五郎
鳥巣哲生 木下
野口貴史 野村
根岸一正 斎藤
大矢敬典 和田
小泉洋子 村松きぬ
奈三恭子 梅津ヒデ
大木悟郎 浅見
友金敏雄 西谷
北川俊夫 牛坂
岡田裕介 葉村佑介
檀ふみ 矢頭タキ
山本麟一 田上大佐
室田日出男 内海大尉
神田隆 山路退役少将
田口和政 小林
深山義夫 山中
北村光辞 勝俣
豊岡晋 江上
小田正作 塚越
遠山金次郎 星坂
菅貫太郎 緒方検事
穂高稔 清水
河合絃司 裁判長
片桐竜次 人夫A
森源太郎 人夫B
畑中伶一 部落の青年A
森谷譲 部落の青年B
岩尾正隆 刑事

解説

部落解放運動の優れた指導者、松本治一郎の権力に屈せず、闘い抜いた半生を描く。脚本は「ラグビー野郎」の野波静雄と棚田吾郎の共同、監督は「脱走遊戯」の山下耕作、撮影は「テキヤの石松」の増田敏雄が担当。

あらすじ

松本治一郎は、少年時代から嘲られ、罵られながら、差別の洗礼を受けて育った。明治四十一年。成人した治一郎は徴兵検査で、被差別部落出身者を差別した係官と争った。そのため治一郎は不合格となり、単身自由の世界を求めて大陸へ渡った。だが大陸でも、被差別部落民というために身分を変え、姿を変える放浪が続き、失意のうちに帰国を余儀なくされた。実家に舞い戻った治一郎は、同じ村の鶴吉に誘われて、那珂川と御笠川の間の用水路の工事現場で働くようになった。久保寺家の当主伝右エ門は、「おまえらには水は分けてやらん」と彼らを妨害した。治一郎は、伝右エ門を決然と糾弾した。筋の通った治一郎のやりとりに、差別に甘んじていた村の人々は、次第に治一郎に惹れていった。ある日、ときわ屋で飲んでいた治一郎は、金のかたに妾になれと強要されていた矢頭タキを救った。借金の二百円を治一郎に払ってもらい、自由の身になったタキは、治一郎に感謝を捧げ、二人はほのかな想いが芽生えて、結婚を誓った。しかし、タキの両親は治一郎に感謝しながらも、差別意識から被差別部落民のこだわりを捨てきれなかった。同じ村の半三郎の家でも、娘のみよが相愛の佑介という学生との仲を被差別部落出身という理由で引き裂かれ、病身となって戻ってきた。大正五年六月、みよは静かに息を引きとった。村の火葬場は釜が故障していたが、他の村は火葬場の使用を断ったため、村の人々はやむなく、みよを河原で火葬に付すことにした。博多毎日新聞は、みよの火葬のことを悪しざまに報道した。怒った村の人々は、怒涛のごとく新聞社に殺到して抗議した。やがて治一郎は、花田慈円という僧侶にめぐり会った。慈円から、部落解放運動を推進している水平社の存在を知った彼は、こうして部落解放への長い道のりを歩み始めた。被差別部落出身の清、小林、山中等は、軍隊に召集された。軍隊では、部落出身者の名前の上に、赤星の印が押され、差別の厚い壁が彼らを押し潰していった。上官の乱暴を受けた小林は、差別に抗議して非業の死をとげた。治一郎は水平社をあげて、差別連隊への、入隊拒否運動を起こした。しかし、軍当局は、かつてのみよの恋人で、いまは部落解放運動に参加している佑介を強迫して、治一郎を福岡連隊爆破の容疑者として逮捕した。連日連夜、治一郎は尋問に耐えた。みよの霊の前で改心した佑介の証言で、治一郎の無罪が一時は証明されたかに思えた。だが、福岡地裁は強引に治一郎に有罪判決を下した。慈円の寺、大光寺の前では、差別判決に怒った部落大衆、青年同盟、処女会員がシュプレヒコールを繰り返した。日本農民組合や労農党福岡支部連合会の人々が、怒りを行動に表して続々と集合した。刑が確定して入獄する治一郎は、大衆の前で不正を糾弾し、被差別部落民が強い決意の下に団結して闘い抜く事を主張した。雪に埋もれた福岡刑務所の面会室で、互いに見つめ合う治一郎とタキ。治一郎は、静かに口ずさむ。「暴虐なる君はわが手足を縛するを得べし。しかれどもわが心縛するべからず」。かくして治一郎は、水平線にひるがえる荊冠旗の下で、大衆の先頭に立ち、三百万部落民の解放へ向って突き進む。

関連するキネマ旬報の記事

1976年12月下旬号

日本映画批評:夜明けの旗 松本治一郎伝

1976年11月下旬号

日本映画紹介:夜明けの旗 松本治一郎伝