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桜の森の満開の下

  • さくらのもりのまんかいのした
  • Under the Blossoming Cherry Trees
  • Under the Blossoming Cherry Trees

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  • 平均評点

    66.8点(59人)

  • 観たひと

    88

  • 観たいひと

    8

  • レビューの数

    12

基本情報

ジャンル 文芸 / ファンタジー
製作国 日本
製作年 1975
公開年月日 1975/5/31
上映時間 95分
製作会社 芸苑社
配給 東宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督篠田正浩 
脚本富岡多恵子 
篠田正浩 
原作坂口安吾 
製作佐藤一郎 
市川喜一 
撮影鈴木達夫 
美術朝倉摂 
内藤昭 
音楽武満徹 
録音西崎英雄 
照明井上武 
編集山地早智子 
助監督小泉真 
スチル山本一生 

キャスト

出演若山富三郎 山賊
岩下志麻 
伊佐山ひろ子 ビッコの女
滝田裕介 旅人
西沢利明 女の亭主
笑福亭仁鶴 居酒屋の男
丘淑美 六条の姫君
観世栄夫 大納言
荒木雅子 年増女
加藤嘉 老人
関山耕司 僧都
浜村純 乞食
西村晃 検非違使
常田富士男 放免
松山照夫 放免
金井大 放免
佐伯赫哉 役人

解説

坂口安吾の同名の短篇小説の映画化で、都の女に魅せられた粗暴な山賊を怪奇と幻想風に描く。脚本は「卑弥呼」の富岡多恵子、監督は脚本も執筆している同作の篠田正浩、撮影も同作の鈴木達夫がそれぞれ担当。

あらすじ

十二世紀とおぼしき頃鈴鹿峠に住む山賊は、山に入って来た旅人を襲い、男は殺し、気に入った女は女房にしていた。山賊は、山頂の自分の家から見える山という山、谷という谷は全て自分のものだと思っているが、しかし、あの桜の森だけはいけない、と思っていた。そこには自分より凄い魔物か何かが住んでいて、特に桜の花が満開の時には、風もないのにゴーゴーと鳴って下を通ると気が狂ってしまうのだ。実際、気が狂ってしまった人を何人も見ているのだ。春、桜の満開の頃、山賊は都からの旅人を襲い、女と出会った。今まで見たことのない、ぞっとするほど美しい女だった。「今日からおめえは、おれの女房だ」と山賊。「女房ならおぶっておくれよ、こんな山道は歩けないよ」と女。女は山賊の家に住んでいた七人の女房を、ビッコの女一人を除いて次次と殺させた。山賊は毎日のように、旅人から美しい着物を奪って来たが、女が都を恋しがるために、山賊は都で暮すようにした。やがて女は“首遊び”を始めた。姫の首、公卿の首、坊主の首。首と首は愛しあい、悲しみ、怒り、泣き、女はそれを楽しんだ。山賊は、女の望むままに、夜毎いろいろな生首を狩って来たが、やがて嫌気がさし山へ帰ると女に言った。女は、大粒の涙を流しながら、自分も一緒に山へ行くと言うのだった。初めて出会った時のように、山賊は女を背負って山を走った。桜の森はまさに満開。今日みたいな嬉しい日だから桜の森なんて恐くはない、と思った山賊は女を背負って桜吹雪の森の中を走った。獣のうめくような声がゴーゴーと聞こえる。恐怖が背中から追って来る。ふり返った山賊の目に、自分の首をしめている老婆の鬼が見えた。山賊は力をふりしぼって鬼をふり落して首をしめあげた……。気がつくと、足もとに桜の花びらに埋まって女が息絶えていた。慟哭する山賊の声は、桜の森をふるわせ、落ちてくる花びらは、二人を包み込んでいった……。誰もいなくなった満開の桜の森は、無気味にざわめき、凄まじい美しさに満ちている……。

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