18世紀末のトスカーナ。ナポレオン率いるフランス遠征隊の将校ジャン(ミシェル・ヴァルタン)は、土地の農家の娘エリザベッタ(ガラテア・ランツィ)と恋に落ちる。だが、何者かが仏軍所有の金貨を盗み、ジャンは軍規によって銃殺された。処刑直前に綴った手紙の中で、ジャンは彼女にフランス革命暦で花月を意味するフィオリーレという名を捧げていた。悲嘆にくれ、ジャンの復讐を誓ったエリザベッタだが、犯人は、彼女の実の兄コンラッド(クラウディオ・ビガーリ)だった。復讐は遂げられず、彼女はジャンの子供を産み落とした直後に死ぬ。その数奇な運命は19世紀、身分違いの恋を引き裂かれ、政界を目指す実の兄を毒殺するエリーザ(ガラテア・ランツィ二役)へ、第二次大戦下にレジスタンスとなり、名門ということで処刑を免がれたマッシモ(ミシェル・ヴァルタン二役)へと受け継がれる。いつしかベネディティ家(祝福された家族)はマレデッティ家(呪われた家族)と呼ばれるようになる。そして現代。ベネデッティ家の当主ルイジ(リノ・カポリッキオ)は、2人の子供を連れて、陰棲している老父マッシモ(レナート・カルペンティエリ)を故郷トスカーナに訪ねる。マッシモは、精神を病んでいた。ベネデッティ家の物語は終わりを告げたかに見えたが、一家の魂は兄エミリオと妹シモーナの2人の子供の中に宿っていた。