フランス国旗を構成する三つの色をモチーフにキェシロフスキが監督した「トリコロール」三部作の一作目。監督のクシシュトフ・キェシロフスキは、ポーランド人で、70年代を通じて数多くの短編ドキュメンタリーを手がけ、「アマチュア」、「殺人に関する短いフィルム」、「ふたりのベロニカ」などで国際的名声を得ている。74年の『終わりなし』からポーランドを代表する弁護士にして理論家のクシシュトフ・ピェシェヴィチとの共同脚本作業を始める。製作はマラン・カルミッツ、エグゼクティヴ・プロデューサーはイヴォン・クレン。また音楽のズビグニエフ・プレイスネル、撮影のスワヴォミール・イジャックは、それぞれポーランドで数多くの作品を手がけていて、キェシロフスキとも長年ともに作品を手がけている。出演は、「存在の耐えられない軽さ」、「ポンヌフの恋人」、「ダメージ」の現在フランスを代表する女優ジュリエット・ビノシュ。舞台俳優として高い地位を得ており、ジャック・リヴェット監督の「彼女たちの舞台」で映画俳優としても活躍し始めたブノワ・レジャン。そして脇もエレーヌ・ヴァンサンやエマニュエル・リヴァなどの演技派俳優で固められている。