1945年。インドネシア諸島のアンボンで開かれた日本軍に対する裁判を担当する検事、ロバート・クーパー大尉(ブライアン・ブラウン)は審理の進むうち、戦時中の捕虜収容所における虐殺の恐るべき実態を知る。その罪は南太平洋地域最高司令官であった高橋中尉(ジョージ・タケイ)とアンボン収容所の責任者であった池内大佐(渡辺哲)の二人にあるとの結論にクーパーは達するが、日本の指導者層を温存しようとする米軍の政治的判断により、男爵の身分を持つ高橋は無罪となり、更には追いつめられた池内は割腹自殺を遂げた。こうして裁判を受けるのは上官の命令で実際に捕虜に対する処刑を実行した田中日出雄中尉(塩屋俊)一人となった。クリスチャンでもあり、公正な裁きを受けるために自首した彼の姿を前に、クーパーは何の実権も持たない下級将校一人をスケープゴートにして事足れりとするのかと矛盾と良心の呵責を感じつつも判決を下さねばならなかった。