一九四三年四月、ドイツ占領下のバリー・アントワーヌ(アラン・ドロン)とポール(ジャン・クロード・ブリアリ)は共に十九歳の学生だが、闇取引の片棒をかついだり、情婦をつくったりして、一人前の大人を気取っていた。アントワーヌは感受性が強く、ポールは何物も信じないような性質で、二人の性格は対照的だった。アントワーヌの父ミショーは善良で真面目な小市民で、時代の変化に取り残された存在だった。一方、ポールの父チェルスランは闇ブローカーの総元締で、事なかれ主義に徹した男だった。一獲千金を夢見たアントワーヌは、ポールや情婦イベット(フランソワーズ・アルヌール)とはかって、シャンパンの闇取引に手を出した。彼は父に旅に出ると偽ってイベットの部屋に泊りこみ吉報を待った。留守中、学校から成績表が届いた。ミショーは息子の成績が悪いのをみて驚き、チェルスランに相談をした。しかし酒の饗応と彼の弁舌で、手もなくまるめこまれてしまった。帰宅したミショーはゲシュタポが来たことを聞いてあわてた。これは一味の仕組んだ芝居だった。が、彼にはそんなカラクリはわからず、息子たちが地下抵抗組織に参加しているのではないかと、再びチェルスランを訪ねた。ところが、そこで息子たちと出会い、ゲシュタポがインチキとわかり、激しく彼らを叱った。帰宅したミショーとアントワーヌは、空襲下の防空壕で、初めてお互の真情を語りあった。そして明日からは平和な生活を送ることを誓った。--一体誰が間違っていたのだろう。ポールでもない、イベットでもない。ミショーはもとより、チェルスランだってきっと良い人間に違いない。誰も悪くないんだ。混乱した時代がいけないんだ。平和が戻れば、きっとみんな静かな楽しい生活にもどるだろう……。