訓練に明け暮れ、明日をも知れぬ若い兵士たちの精神の疲弊ぶりを、舞台を1つの兵舎内に限定し、次第に混濁していく人間関係の中に描いた異色作。これまでビデオ発売のみで、今回が初の劇場公開となる。監督のマイク・ニコルズがニューヨークで演出した同名の舞台劇を、戯曲を手掛けたデイヴィッド・レイブの脚本で映画化。監督には「ポパイ」以降、舞台劇の映画化が多くなり、雌伏の時を送っていたロバート・アルトマンが当たり、独特のシニックな演出を見せた。撮影は「ニューヨーカーの青い鳥」など、監督とは6本の作品で組んだピエール・ミニョー。現実音としてラジオから流れる曲以外は、音楽は使用されていない。出演は「ショート・カッツ」でもアルトマンと組んだ、「フルメタル・ジャケット」のマシュー・モディン、「ウェディング・バンケット」のミッチェル・リキテンシュタイン、「氷の微笑」のジョージ・ズンザほか。ヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞(主要人物6人全員)。