唄う六人の女

うたうろくにんのおんな|----|----

唄う六人の女

レビューの数

12

平均評点

68.1(58人)

観たひと

86

観たいひと

9

(C) 2023「唄う六人の女」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / スリラー / ドラマ
製作国 日本
製作年 2023
公開年月日 2023/10/27
上映時間 112分
製作会社 「唄う六人の女」製作委員会(ナカチカ=TIME=ポニーキャニオン=エイベックス・ピクチャーズ=and pictures=クープ=Your Films=朝日放送テレビ=石橋プロダクション=アド近鉄=21インコーポレーション=UUUM=NUNW=ハジメーン)(制作協力:and pictures/制作プロダクション:クープ コンチネンタルサーカスピクチャーズ)
配給 ナカチカピクチャーズ=パルコ
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督石橋義正 
脚本石橋義正 
大谷洋介 
プロデューサー伊藤主税 
植村真紀 
大橋和実 
下京慶子 
共同プロデューサー山田孝之 
佐野徹 
河本晴光 
門馬直人 
撮影高橋祐太 
アートプランニング石橋亜樹 
美術黒川通利 
将多 
装飾須坂文昭 
小道具宮本里菜 
音楽加藤賢二 
坂本秀一 
主題歌NAQT VANE
(「NIGHTINGALE」(avex trax))
録音島津未来介 
音響効果大塚智子 
照明友田直孝 
編集石橋義正 
着物デザイン江村耕市 
衣装デザイン・制作(洋装)川上須賀代 
着物制作下城美香 
衣装ワード・ローブ 
ヘアメイク中野泰子 
ラインプロデューサー村岡伸一郎 
制作担当鍋島章浩 
助監督佐和田惠 
VFXスーパーバイザー寺岡マサヒロ 
特殊メイク中田彰輝 
造形中田彰輝 
振付藤井泉 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演竹野内豊 萱島
山田孝之 宇和島
水川あさみ 刺す女
アオイヤマダ 濡れる女
服部樹咲 撒き散らす女
萩原みのり 牙を剥く女
桃果 見つめる女
武田玲奈 包み込む女
大西信満 
植木祥平 
下京慶子 
鈴木聖奈 
津田寛治 
白川和子 
竹中直人 

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

パフォーマンス集団キュピキュピの主宰で「ミロクローゼ」やドラマ『オー!マイキー』などを手がけた石橋義正監督によるサスペンススリラー。亡父の山を売却する萱島と開発業者の下請け・宇和島は事故に遭い、気付くと奇妙な六人の女たちに監禁されていた。『イチケイのカラス』の竹野内豊と「はるヲうるひと」の山田孝之が正反対の性格である萱島と宇和島を演じ、美しく奇妙な六人の女を「滑走路」の水川あさみ、東京2020オリンピック閉会式でソロパフォーマンスを披露したダンサーのアオイヤマダ、「ミッドナイトスワン」の服部樹咲、「N号棟」の萩原みのり、「消せない記憶」の桃果、「真・鮫島事件」の武田玲奈が演じる。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

40年以上疎遠になっていた父が亡くなったとの知らせが入り、萱島(竹野内豊)は父が遺した山を売るために帰郷。開発業者の下請けの宇和島(山田孝之)と土地の売買契約を終え人里離れた山道を車で走っていたところ、事故に遭い、二人は意識を失ってしまう。気が付くと二人は縄で縛られており、身動きできない彼らの前にこの森に暮らす6人の美しい女たちが現れる。何を尋ねても彼女たちは一切答えず、奇妙な振る舞いをし続け、萱島と宇和島はこの異様な場所から脱走しようとするが……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年11月号

REVIEW 日本映画&外国映画:「唄う六人の女」

UPCOMING新作紹介:「唄う六人の女」

2023/11/13

2023/11/14

75点

映画館/大阪府/イオンシネマ茨木 


石橋ワールド、新境地。

ネタバレ

「狂わせたいの」「オー!マイキー」の石橋義正監督、久々の新作。疎遠だった父親の訃報を聞き、家の整理に田舎に来た主人公・萱島は、不動産屋との家の売却手続きを済ますと、開発業者の宇和島の車で送ってもらうが、途中で車は事故を起こし、目覚めた彼らは見知らぬ森の中で異様な女たちに出会う…

全く先読みのできない現代のお伽噺なのだが、亡き父親の真意が明らかになるにつれ、作品のテーマも浮かび上がってくる。

森の6人の女たちはそれぞれが自然の化身で、父親がやりたかったことは放射性廃棄物処理場の建設を食い止めること。そのために活断層があるという事実を明らかにしようとして宇和島に殺されたというのが真相。

メッセージ性の強い映画は逆にそこが弱点になりうると思っているが、実際に10万年も危険な廃棄物を助成金目当てで誘致し、次の世代へ安全な場所を渡すことなど考えない行政の話など聞くにつれ絶望感を感じていただけに、本作の趣旨には100%同意。山田孝之が、人間の屑代表のようなキャラを嬉々として演じている。

2023/11/06

2023/11/10

75点

映画館/神奈川県/kino cinema 横浜みなとみらい 


声にならない叫び

ネタバレ

父親の土地を売った男が山で遭難して、不思議な女たちと出会うダークファンタジーといってよいのだろうか。
予告編の印象からホラーと思っていたので、壮大なテーマに面白さを感じる作品でした。

主演は竹野内豊さんで、竹野内豊さんと一緒に遭難するのが山田孝之さん。
演じる役が正反対ですが、もてなす六人の女の待遇の仕方が最初から違うのが面白いのですが、これも以前からの2人の対応により待遇に差があるのだと思わせる。
山田孝之さんの悪役に迫力がありました。

六人の女たちは喋ることがない。
何者かと思っていたら、彼女たちは森の動植物たち。
本作は動植物たちとの共存に対するメッセージが込められている。
核廃棄物の処分場を建てようとするものと森を守ろうとするものとの思惑がサスペンスフルに展開されて面白い。

六人の女たちも個性的。
水川あさみさんは和服を着たSM嬢かと思いますし、萩原みのりさんのマムシ女がハマリ役だと思います。
そして、なんといっても桃果さんが可愛らしい。

環境破壊という問題に対し、生命の尊さを感じさせる。
ダークファンタジー的ではありますが、メッセージ性のある面白い作品でした。

今回は貸切で鑑賞。
きっと鑑賞劇場の問題だと思います。

2023/11/09

2023/11/09

60点

映画館/福岡県/ユナイテッド・シネマ トリアス久山 


タイトルの唄うって何のこと?

音信不通だった亡き父親が所有する山を処分するため40年ぶりに故郷に戻った息子(竹野内豊)が落石に車で衝突、異次元の森に迷い込んだ彼がその場所に来た理由を探し出そうとして父親の秘密に迫っていくファンタジー作品。冒頭は土地開発業者(山田孝之)と竹野内を乗せた車を蜂の視点で俯瞰撮影した場面。後々分かるのだが森の中で出会う女たちの正体は森の生き物(マムシやフクロウもいた)の化身であり、それ故にセリフが一言もなかったのだ。

竹野内は森に連れてこられたのは偶然ではなく必然なのではと思い始める。さらにこの森には人間が生まれてきた理由の答えがあるのだとも。それを解明する手掛かりは亡き父親が何故森を守ることに執着していたのか、その一点に絞られてくる。徐々に理論的になっていく竹野内に対して山田は露骨に粗野な一面を見せ始める。そもそも何故東京の開発業者が田舎の山に興味を持ったのか。理由は国が計画する放射性物質の最終処分場の建設計画にあった。竹野内の父親はその計画を知り建設中止を訴える材料として山にある活断層の存在を掴んでいたのである。その事実が明るみに出ないよう山田によって殺害されていたというのが真相だった。

土地開発を巡る人間のエゴと金銭欲を描きつつ、生きとし生けるものが自然と共生する高潔さのコントラスト。本作の見どころを簡潔に表現するならこれに尽きるだろう。父親からの手紙を読んだ竹野内はその遺志を汲んで森を守り抜くことを決意する。しかし欲望の権化となった山田によってその夢は砕かれ息絶えてしまう。考えて見ると異次元の森で起きた諍いの数々は現実社会が抱える難題の縮図と解釈できるだろう。時折竹野内が口にする歯の浮くようなセリフには失笑したが総じて生真面目な作品という印象だった。

ラストは竹野内の父親が守ってきた森の家にシングルマザーとして住むことになった恋人と遺児が仲睦まじく暮らしている場面。竹野内の命懸けの行動が無駄では無かったことが示されていた。女優陣のなめまかしさ(観客へのサービスなのかも)が作品を迷走させた気がしないでもない。

2023/10/27

2023/11/05

71点

映画館/宮城県/イオンシネマ名取 


映画でしか表現できない

 写真家の萱島森一郎は、田舎の山で暮らしていた父が死んだという知らせを受ける。頑なに山を売らず守ってきた父だったが森一郎は早々に開発業者へ売却してしまう。仲介業の宇和島凌に駅まで乗せてもらうことになり凌は山道を猛スピードで走るが和服を着た女性を避けた先の落石に突っ込んでしまう。気が付くと森一郎は森の中の一軒家に捕らえられており、芋虫のスープを飲まされたり風呂に入れられたり。別の部屋にいた遼を助け森を彷徨うが元の場所に戻ってしまい森を抜けられなかった。幼いころの記憶や父との思い出からこの森を守るのは自分だと思い始める森一郎。そして凌のカバンの書類から売った山が放射性物質の廃棄場の建設が予定されていることを知る。自分の使命がわかったと伝えると女は帰り道を指さすのだった。婚約者のかすみと合流し帰路に就く中で、凌が父を殺したのだと確信し、裁判で証言させるため森から連れ出そうと森へ戻っていく。しかし凌ともみ合いの末鋤で刺され死んでしまうが、凌は牙をむく女にかみ殺されるのだった。森は移り住んだかすみとその子供によって守られるのだった。
 六人の女は、森の生き物の蜂だったり羊歯だったり蛇だったり鯰だったりフクロウだったりヤマネだったりするけど二役だったのでヤマネが子育ての化身だったか。女性の姿になるのは人間とのコミュニケーションを図るためなのではないかと思うが、言葉はやはり難しいのでしょう。石橋監督の、映画でしか表現できないことを映画にするという感じはこの作品でも著明でした。しかも結構楽しめました。男というものはやっぱりダメダメなものなんだ。妻子に逃げられたり妻子を残して死んじゃったり、あるいは金のために躍起になったり。山田孝之と竹野内豊がしっかりダメ男を演じきってましたね。化身の女たちはかなり難しい演技を要求されたと思うけど、きっちり答えていたようでした。

2023/11/01

2023/11/03

-点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日比谷 


とっちらかってるが言いたい事は一つ

森を守れと。山を大切にしろよと。
そこさえ分かれば、途中の意味プーな描写もなるほどなぁと思う。ただただ寝っ転がってる女はなるほどなぁと。それこそ水川あさみもパチパチやってくるのはそーだよね。途中舐めてるのもハチミツだよねぇと無駄に納得。
あ。ちなみに聖人にも悪人にもどっちにもやれる山田は嫌いな方の山田でした。
しっかし竹野内豊、こんな小規模な映画出るんだ。しかも汚れなきイケメンだと思ってたのに顔に泥となついてるんだけど…そんな事するんだ…って思ったけど、彼は大きな事務所辞めたからフットワークが軽いのかなと。イケおじイメージはくずさないものの…やっぱりイメージが変わるね。

2023/10/29

2023/11/02

67点

映画館/大阪府/TOHOシネマズなんば 


ガンニバル的かと思ってた

ネタバレ

オカルトチックな雰囲気だったが、中身は自然を守ろうという、環境破壊に警鐘を鳴らす高尚な作品でした。

前半は耽美的で妖しい感じでストーリーは進むが、あまり意味が無かったような。
・刺す女→棒でチクチクしたり、ハチの子の汁物だったり、ロイヤルゼリー?みたいなもんだったり
・濡れる女→水の中で妖艶に泳ぐ。けど実際はナマズ
・撒き散らす女→シダなんで何もしない。雨が降ると増える
・牙を剥く女→一番っぽかった存在。マムシだから好戦的
・見つめる女→森の賢者の筈が、無抵抗に山田孝之に犯されてでっかい卵を産む。ここはいらない。
・包み込む女→子供と戯れてるだけ。母親の暗喩か?と思ってたら、武田玲奈が主人公の恋人と二役で出産。そういうことか。敢えてそこは伏せていたのだろう。

武田玲奈が重要な役どころで嬉しかったのと、山田孝之のやさぐれ感が相変わらず素晴らしかった。