実の子を育てられなかった中学生、片倉ひかり(蒔田彩珠)、実の子を持てなかった夫婦、栗原佐都子(永作博美)と栗原清和(井浦新)、特別養子縁組で男の子を迎え入れる。6年が経過し、栗原のマンションに無言電話が・・・。
ひかりの恋は夢のような青春として描かれ、身ごもりは純粋な愛として美しく、観るものに素直に受け入れられる。この描き方で鑑賞者はひかりに寄り添うことが容易となり、ひかりとしてその後の展開を共有する重要な要素となる。上手だ。
そして特別養子縁組がドキュメンタリーのように紹介される。昔のように出生を隠すのではなくopenであるのに目が覚める。
河瀬直美監督のまなざしは、相変わらずすべてにわたって優しい。
2020年第94回キネマ旬報日本映画ベストテン第3位
2020年第94回キネマ旬報読者日本ベストテン第6位
2020年第94回助演女優賞 蒔田彩珠