ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風

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ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風

レビューの数

3

平均評点

76.1(17人)

観たひと

33

観たいひと

4

(C)TBS/ヴィレッヂ

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇 / アクション / ドラマ
製作国 日本
製作年 2019
公開年月日 2019/5/10
上映時間 178分
製作会社 著作:TBS=ヴィレッヂ
配給 ヴィレッヂ=ティ・ジョイ
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

何度も再演されてきた劇団☆新感線の代表作『髑髏城の七人』のうち、捨之介と天魔王を松山ケンイチが一人二役で演じた『Season風』を映画館で上映。天正十八年。関東を荒らす髑髏党に追われる沙霧を救った捨之介の前に、髑髏党党首・天魔王が現れる。共演は「ザ・ファブル」の向井理、「愛がなんだ」の岸井ゆきの。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

天正十八(1590)年。関東の街道筋で一休みしていた牢人・狸穴二郎衛門(生瀬勝久)の前に、男装の若い女・沙霧(岸井ゆきの)が現れる。そこに兵庫(山内圭哉)と彼が率いる野武士集団・関八州荒武者隊が加わり、一騒動。それが一段落すると、関東髑髏党の鉄機兵たちが襲いかかってくる。髑髏党の根城“髑髏城”の絵図面を持つ沙霧を追ってきたのだ。たちまち荒武者隊を蹴散らす鉄機兵。だが、フラリと現れた着流しの男が鉄機兵を撃退し、沙霧を救う。その男の名は、捨之介(松山ケンイチ)。負傷した沙霧の手当てをするため、兵庫の案内で、一行は関東一の色街“無界の里”へ向かう。無界に着くと、兵庫は評判の美女・極楽太夫(田中麗奈)に、髑髏党に追われる沙霧をしばらく匿ってほしいと頼み込む。その夜、死んだ一族の魂を弔う儀式を行う沙霧の姿を目にした捨之介は、彼女が築城に優れた集団“熊木衆”であることを見抜く。直後、遊女に化けていた髑髏党の女が現れる。その女を斬り殺したのは、無界の里の主・無界屋蘭兵衛(向井理)だった。互いの姿を目にして驚く捨之介と蘭兵衛。そこへ、南蛮製の鎧に身を包み、髑髏の仮面を付けた髑髏党党首・天魔王(松山ケンイチ:二役)が部下と共に姿を現す。捨之介と蘭兵衛に会いに来たと告げる天魔王。3人には、織田信長の下で共に過ごした過去があったのだ。天魔王に斬りかかる捨之介。短筒を撃つ蘭兵衛。だが、斬撃も弾丸も天魔王の無敵の鎧には歯が立たない。そこへ二郎衛門が割って入り、天魔王は姿を消す。無界の里を守るため、無敵の鎧を打ち砕く“斬鎧剣”を求めて馴染みの刀鍛冶・贋鉄斎(橋本じゅん)の元を訪れる捨之介。同じ頃、蘭兵衛はたった1人で髑髏城へ向かっていた。その後を追い、城内へ忍び込む沙霧。織田信長の死から8年。関東平野で再会した捨之介、蘭兵衛、天魔王の3人を結ぶ宿命とは……?そして、彼らと出会った人々の運命は……?

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017/11/03

2019/11/27

82点

映画館/静岡県/シネシティ ザート 


松山ケンイチが一人二役で古田オリジナルに果敢に挑戦した

 今年3月に東京豊洲にオープンした客席が360度回転するIHI劇場。
 こけら落し公演として1年3か月に渡ってロングラン公演中なのが“劇団☆新感線”の「髑髏城の七人」だ。1990年の初演以来ほぼ7年ごとに演出を変えて再演してきたが、今回は花・鳥・風・月をテーマに4つのバージョンとつい最近ニュースリリースされた「極」の究極バージョンで幕を閉めるという演劇界注目の大プロジェクトだ。
 
「花」、「鳥」バージョンは全国ライブビューイングで観劇したが、11月3日「風」の千秋楽昼公演を観劇した。

 物語は、本能寺の変で織田信長が明智光秀に討ち取られて八年後の戦国時代。
 天下統一目前の豊臣秀吉の支配がまだ及んでいない関東を、天魔王と呼ばれる仮面の男が率いる「関東髑髏党」が支配しようとしていた。
 風来坊風の捨之介は、なりゆき上、関東髑髏党に追われていた少女沙霧を助け、偶然知り合った狸穴二郎衛門とともに、無界屋蘭兵衛と極楽太夫が作った色街「無界の里」へと向かう。実は捨之介、蘭兵衛、天魔王の三人は共に信長に仕えていた過去があり、運命の糸は三人を中心に大きく動いていく…。

 まず、劇場の感想だが、仮設だからロビーの狭さは致し方がなく、なんとなく赤坂ACTシアターに似た感じだ。
グルリと囲んだ360°の壁の中に段々になった1300席の客席がある。この壁がスクリーンとなり舞台を補完する様々な映像を映し出し、この周りを1300人の観客を乗せた客席が回転する。ちょうどディズニ-ランドのライドもののテーマアトラクションを体験しているときの感覚に近い。舞台転換の必要がない360度舞台だから、今までより劇の展開がスピーディで緊張感が全く途切れない、また前の映像に集中しているせいか思ったより動いている感触は少なかった。

 そして、もうひとつ本プロジェクト最大の試みは、主要7人の配役によって脚本と演出を変え4つのドクロを観客に提示するというものだ。
「花」と「鳥」を観て、同じ物語の舞台なのに、ここまで劇の印象が変わるかと実感したが、「風」は捨之助と天魔王が同じ顔を持つという一人二役で演じる初期オリジナルバージョンに戻したことが大きな特徴。
 
 この一人二役を松山ケンイチが演じている。捨之介と天魔王は信長の影武者で同じ顔を持つという設定で、この入れ替わりによる混同が物語のカギになるが、今回の演出では天魔王は今まで伝えられている信長のイメージに似せた衣装やメイクになっている。新感線の舞台二度目の松山は発声や身のこなしで両者の違いをうまく表していている。彼の明るい捨之介の演技により、やや暗かったオリジナルバージョンが青春ドラマっぽいワカドクロのような舞台に変貌したようだ。
 一方、蘭兵衛を演じた向井理は少し期待外れだった。長身、小顔で、予想通り立ち姿はとても凛々しく、白菊の中に白装束で佇むシーンでは過去の蘭兵衛の中でもピカイチの美しさだった。しかし、台詞回しが一本調子で弱く、こと新感線の時代劇の舞台には不向きだ。そして殺陣が下手なのが致命的、ゆえに前回蘭兵衛を演じた早乙女太一の流れるような美しく早い立ち回りを再認識させられる結果となった。
 田中麗奈も歴代の極楽太夫に比べると、小粒でやや存在感が弱かった。

そんな中で、本舞台をひきしめたのは兵庫を演じた山内圭哉だ。兵庫に共通のおチャラけた部分はあるものの一本筋の通った関東武者を演じて舞台役者としてベテランの上手さを感じさせてくれた。

 どのシリーズでも芸達者に演じさせてきた一番のキャラクター刀匠贋鉄斎は今回橋本じゅんだった。もうこのキャラクターはドMにしろ、ドSにしろ、行き着くところまで行ってしまった感があるので、見どころは、役者がどう自分の色に染めてしまうかという点だ。千秋楽の橋本じゅんは疲れ気味なのか、いつもよりおふざけ度のボルテージが低かった感じがしたが、山内と橋本、生瀬などやはりベテラン陣が出て来ると、舞台がぐっと引き締まる。

 11月23日から始まる第四弾「月」バージョンでは、過去最大の若返りを図り、ほぼ若手俳優だけのWキャストの公演となる。新感線のベテラン陣もあまり出ず、一見キャストの弱さを感じるが、今までの3バージョンを観ると、いのうえの演出、中島の脚本にかかって、どう生まれ変わるのか?この若手中心が意外に大化けするかもしれないと思わせるから新感線の舞台は止められない。

 自分としては、最後の「極」には、古田新太、市川染五郎、堤真一、天海祐希の最強布陣で臨んでもらいたいと願ってやまないが。

2019/06/03

2019/06/03

70点

映画館/大阪府/なんばパークスシネマ 


松山ケンイチ二役。

ネタバレ

シーズン鳥のバージョンは、松山ケンイチが二役をし、向井理、田中麗奈、生瀬勝久に岸井ゆきの等、主に映像の仕事がメインの俳優陣で固められている。生瀬の個性に合わせてか、いきなり生瀬が岸井を後ろから斬ったりして驚かす幕開け。また、橋本じゅんの刀鍛冶が男色系となっていたり、タヌキが活躍したりする辺りが特色か。

松山ケンイチの動作は思った以上にキレがある反面、台詞の声調がちょっと高すぎに感ずる。同じ舞台の別バージョンを連続して見ると、違いが見比べられるのも面白い。

2019/05/10

2019/05/19

70点

映画館/東京都/新宿バルト9 


ゆきのちゃんファンになりました

 ストーリーはこれまでの髑髏城の七人と大きな違いはなかった。捨之介と天魔王の二役を松山ケンイチが演じていたのは原点に戻った感じがした。また贋鉄斎に橋本じゅんが配されていて劇団☆新感線メンバーにちょっとホッとしました。そしてなんといって沙霧の岸井ゆきのちゃん。ちっちゃくて可愛かった。しかも相手が松山ケンイチでその身長差の大きかったこと。身のこなしとかセリフの切れとかもこれまでの沙霧の中では一番じゃないでしょうか。間隔を置いて再演されてきた髑髏城の七人がわずかな期間で5バージョンも見られるなんて(観ていないのでわかりませんが、修羅天魔は別作品と理解してます)うれしい限りです。でも髑髏以外の新感線の新作もゲキ×シネにかけて欲しい。