友罪

ゆうざい|----|----

友罪

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レビューの数

115

平均評点

71.5(707人)

観たひと

1003

観たいひと

133

(C)薬丸 岳/集英社 (C)2018映画「友罪」製作委員会

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / ヒューマン / ドラマ
製作国 日本
製作年 2018
公開年月日 2018/5/25
上映時間 129分
製作会社 「友罪」製作委員会(WOWOW=ハピネット=ギャガ=ジェイ・ストーム=ツインズジャパン=集英社=TBSラジオ=読売新聞社)(制作プロダクション:ツインズジャパン)
配給 ギャガ
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督瀬々敬久 
脚本瀬々敬久 
原作薬丸岳
(『友罪』(集英社文庫))
撮影鍋島淳裕 
美術磯見俊裕 
音楽半野喜弘 
照明かげつよし 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

実在の事件に着想を得た薬丸岳による同名小説を原作に「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督が映画化。ジャーナリストの夢に破れ町工場で働き始めた益田。同い年の工員・鈴木と打ち解けていくなか、益田は彼が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い始める。出演は「彼らが本気で編むときは、」の生田斗真、「ミックス。」の瑛太、「64 ロクヨン」の佐藤浩市、「海街diary」の夏帆、「去年の冬、きみと別れ」の山本美月、「この国の空」の富田靖子。撮影を「彼女の人生は間違いじゃない」の鍋島淳裕、音楽を「ピンクとグレー」の半野喜弘が務める。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャーナリストの夢に破れ、部屋を借りる金も使い果たした益田(生田斗真)は、寮のある町工場で見習いとして働き始める。益田と同じ日に入った鈴木(瑛太)は、自分のことを一切語らず、他人との交流を拒んでいた。そんな鈴木のことを不審に思った寮の先輩・清水(奥野瑛太)と内海(飯田芳)は益田を強制的に連れ、鈴木の部屋をガサ入れする。そこで益田は女性の裸婦像が書かれたスケッチブックを見つける……。工場からの帰り道、鈴木は男に追いかけられている女・美代子(夏帆)を庇う形になり、男から一方的に殴られる。彼女は元恋人の達也(忍成修吾)に唆されAVに出演した過去を持ち、達也と別れてからも執拗につきまとわれていた。鈴木は美代子のマンションで、けがの手当てを受ける。数日後、慣れない肉体労働に疲れ果てた益田は、めまいを起こして機械で指を切断。だが、鈴木の冷静な対処と、病院まで運んでくれたタクシードライバー・山内(佐藤浩市)のアドバイスのおかげで、何とか益田の指は繋がるのだった。夜勤明け、義父が亡くなり、妻の智子(西田尚美)の実家へ駆けつける山内だったが、妻と会うのは10年ぶりだった。息子・正人(石田法嗣)が交通事故を起こして人の命を奪った罪を償うために、家族を“解散”したのだ。しかし、正人が結婚しようとしていると聞いた山内は、怒りと当惑で言葉を失う。入院中の益田のもとに、元恋人で雑誌記者の清美(山本美月)が見舞いに訪れる。清美は埼玉で起きた児童殺人事件の記事で行き詰っていると打ち明け、17年前の連続殺傷事件の犯人・青柳健太郎の再犯だという噂について意見を求める。だが、益田はジャーナリスト時代に自身の記事に因って招いた暗い過去を思い起こし拒絶する。数週間後、カラオケパブで清水や内海、鈴木が益田の退院祝いをしてくれる。鈴木の傍らには、美代子もいた。寮に戻った益田がスマホを見ると、清美から再度意見を求めるラインが届いていた。ため息をつきながらもパソコンを開き、事件について検索した益田は、当時14歳だった犯人・青柳健太郎の顔写真を見て、息をのむ。そこには鈴木によく似た少年の姿が写っていた。まさかと更に検索し、医療少年院で青柳の担当だった白石(富田靖子)の写真を見て固まる益田。それは、鈴木のスケッチブックに描かれていたあの女性であった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号

2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:日本映画ベスト・テン

2018年6月下旬号

REVIEW 日本映画&外国映画:「友罪」

2018年6月上旬特別号

「友罪」:インタビュー 瀬々敬久[監督]

UPCOMING 新作紹介:「友罪」

2023/04/22

2023/04/22

77点

VOD 

・相変わらずレベルの高い瀬々監督作品 本作は見ている自分が強烈に重く、苦しく、悲しく、もどかしい思いにさせてくれる作品 監督や原作の意図が存分に伝わるものの、二度と鑑賞したくない辛い作品
・豪華俳優陣の演技アンサンブルがすさまじい メイン以外の隅々まで行き届いた演技 圧巻でした
・群像劇的描き方がうまく、徐々に各人の過去が明らかになる 登場人物が多いがわかりやすく描かれている わかりやすいことが逆にいやな気持にさせてくれる
・過去の罪に取りつかれ、生きる人たちの悲しすぎる話 被害者目線で見れば加害者にとって当然報いなければいけない事実であり、加害者をフォーカスした分許せないものはあるものの、あまりにつらい物語
・瑛太の少年Aという過去(事実を受け入れ社会に無抵抗である償い)、その友人になった生田の友人の自殺の最後のきっかけの罪(その母を看取る償い)と瑛太をもう一度追い込むきっかけとなる動画の罪 あまりにつらい生き様
・メイン二人以外の描きこみも素晴らしい 息子が無免許で交通事故死させた佐藤 家族解散で被害者に償い続ける一方、息子の結婚をどうしても受け入れられない心情 瑛太の保護司の立場で更生を全身で支えながらも、予期せぬ妊娠をした娘(蒔田)との関係が埋まらい冨田 過去のDV彼氏に付きまとわれ、AVへの出演を無理強いされ、瑛太に助けてもらった夏帆(瑛太の本性を知った後に距離を取るところまで) 全員が罪を背負い生きていて、誰も攻めることができないものの、責任がある 責任があるからこそたちが悪い

・瀬々監督らしい仰々しい音楽使いはもう少し抑えてもよいかと思った

2018/06/24

2023/01/11

85点

映画館/群馬県/MOVIX伊勢崎 


ありがとう、と、ごめんなさい、で赦せたら

罪を犯した人が、瑛太さん演じる主人公のように
キチンと(ではなさそうな展開はありつつも)償いやり直したいと願う時に
自分が生田さん演じるもう一人の主人公の立ち位置にいた時
どんな風に行動できるのだろうかと悩んでしまいました。

いつも強い気持ちを持ってなんていられない。
だからこそ夏帆さん演じる女性のように流されるままに本当はやりたくなかったはずのAVに出演してしまった事で以後の生活に重荷を背負う事になる。
強くないからこそ、息子の事故の責任の取り方と思って幸せになることを拒絶し謝罪し続ける事で『罪を償い続けているんだ』とみせたい佐藤さん演じる父親の姿の悲しさ。
生田さん演じる主人公だって友達の自殺に対する悔恨の思いがある。

いつもいつも正しくなんていられない。
人は迷うものだし、間違いもする。罪を犯すことだってあるでしょう。
それはいつ自分が陥るかはわからない。
陥った時に

『お前は犯罪者だから…』とのけ者にされ続ける人生を送る事に耐えられるだろうか?
これだけ人がたくさんいる社会なのに、木を隠すなら森の中、と言うように社会に隠れて生きる事が出来ないのはどうしてだろうか?
いや、そうではなくて、キチンと罪を償った人を赦して受け入れられる社会でないのはなぜだろうか?

『ありがとう』と『ごめんなさい』で赦せる社会であったなら
この2つで赦せる人でいられたなら
きっとあしたは笑顔でいられるはず。

辛くて苦しくて、いたたまれないシーンの連続ばかりではありましたが
描かれた人々の思いを一つ一つしっかり感じて
罪を償う事
生きる事
その事をしっかり見つめ直すべきなんだろうと思いました。

ラストシーンの瑛太さん&生田さん演じる主人公の男性2人と
夏帆さん演じる女性の視線の先に、確かな希望があるように感じました。
それが多少なりとも救いになり
果てしなく重い作品一筋の光を差し込んでいたように思います。

2022/08/29

2022/08/30

74点

VOD/NETFLIX/レンタル/ゲーム機 


瑛太のサイコパスっぷりが怖すぎる。破壊衝動を堪えつつ、社会に馴染もうとする様がリアルに伝わる。実際に少年犯罪を起こして社会復帰を目指すのってこんな感じなんだろう。人の家族を奪った人間は家族を作っちゃいけない、幸せになってはいけないのかとい議論は犯罪加害者に永久に付き纏い、逃れられない枷のような意味を持つ。

2022/04/08

2022/04/08

88点

VOD/GyaO! 


過去に罪を犯したという現在に向き合うこと

あ~重い重い!少なくとも前半は見るのが嫌になるくらいの重さでした。最近の日本の映画はなんでこう重い話題が多いのだろうと思ってしまいます。群像劇スタイルで、瀬々監督のヘブンズストーリーが2時間に押し込められて、救いの部分を取り去り、登場人物のさらに深い闇が凝縮されたような感じでした。とはいっても、しっかりとまとめ上げられていると思いました。俳優陣も濃い演技を展開していて、どの場面も見ごたえがあります。

登場人物は、それぞれ過去に侵したいろいろな罪を背負っています。罪を犯したら、もう元には戻れないということが明言され、その過去と現在は、更生して心も体も違うものになっているとは言っても、周囲や環境が掘り返して、過去へと引き戻します。それは新たな罪を誘っているようにも見えます。罪を犯す可能性は誰にもあって、それは何か一瞬のこと、一時的な迷いとか、怒りとか、心の隙とか弱さとかで、容易に作り出されます。それが将来を左右するかどうかは運次第。大部分は何もなく過ぎ去っていくのでしょう。人間は薄氷の上に生活しているという感じがします。

益田の行動は反面教師になるような部分が多々あると思いました。親友の母の最期に、自分の罪を告白しようとするとか、自分が楽になりたいという勝手な、しかし苦しい心の状態だと思います。鈴木と友として信頼を築きつつ、そのことを清美に話すとどうなるか。更生している鈴木を追い詰めるだけです。そうやって人は罪を犯し続けているのでした。今の心の苦しみから発した行動が、その次にはもっと大きな罪の意識に苛まれたり、自分の将来を破壊するかもしれないということは十分気を付けるべきだと感じました。

2022/01/05

2022/01/05

35点

レンタル/神奈川県/TSUTAYA 


有罪

キャラクターが多すぎ。エピソードも多すぎる。リンクもしない。ただ事件が起こるだけ。
冒頭の殺人事件も生かされていない。
生田斗真と瑛太の友情を築いていく過程が描かれていない。本当に友達なの?
ルームメイトもそう。友達なのか? だったら、友達の彼女のAVをよく見れるものだ。
とにかく、なぜ?が多すぎて、まったく話に乗れなかった。
脚本がとにかく悪い。感情移入が全くできなかった。

2021/11/26

2021/11/27

65点

VOD/GyaO! 


元少年Aを含む

本作は、神戸連続児童殺傷事件の当時14歳の犯人少年Aと想定される青年と記者に挫折した主人公の出会いと別れがメインに描かれている。
2人は同時期に部品工場の工員として試用される設定だが、主人公のような経歴から本作で描かれるような工員として働く設定には違和感がある。また演じる生田斗真にもその経歴の面影を感じることができないのは残念なところだ。
瑛太演じる元少年Aのコミュニケ能力に乏しく、感情を押し殺したキャラははまっている。
ただ元少年Aはもっと複雑又は偏ったなキャラではないかと考えると、そもそも本作でのAの捉え方が中途半端ではないかとも思った。
それでも元少年Aが少年院で溶接工の資格を取得していたり、少年院で特に慕っていた女性刑務官との関係を描いていて、事件後の生活の一端は細かいデイテールも描いている。
女性刑務官の富田靖子は好演。ただ彼女が業務に熱心のあまり自分の娘との関係がなおざりで大きな溝ができているといった描写は必要だろうか?
彼女が殺人の本質である存在を無くすということの重要な意味インパクトを喧嘩する少年院の受刑者に諭すシーンが、彼女の娘の堕胎の相談に対する反応にも表れているのだろうかとも思ったが。
彼女が少年Aは更生していると信じる態度は彼女の職務の誠実さを表しているとも思ったが、娘には理解されていないのだなとも思った。
本作では主人公と元少年A以外にも多くの過去にトラウマや傷を負った人々が登場する。
元少年Aと親しくなる少女は、過去に付き合った男から乱暴され、挙句にAVに強制出演させられ、そのDVDを彼女が逃れようとすると脅しのために彼女の親族や知人にばらまくといった悪質な男に付きまとわれている。
また息子が無免許で自動車事故を起こし3人の子供の命を奪ったため2つの家族に謝罪し賠償する父親は、非難を避けるために10年前に一家離散している。ゆえに他人の家庭を壊しておいて自ら家庭を作る息子を許せない。
この父親の余りにも生真面目な一徹さが更なる不幸を招来していることの哀れさを感じた。佐藤浩市が白髪の父親役を熱演している。
これらの登場人物に比べると主人公の傷はインパクトが弱い印象だ。
結局本作は元少年Aも含めて過去に傷を負った者たちをそのままに提示して見る者に考えさせる姿勢で、何ら答えは提示しない。
特にマスコミでも大きく取り上げられた元少年Aの事件はマーケティング的に利用したに過ぎない印象だった。
様々な過去の群像劇としは個々があまりにも重すぎる反面、掘り下げ方が浅い気がした。