日本・ラオス合作映画。1960年、ダム建設調査のため日本からラオスに派遣されてきた川合は、内戦中のラオスで調査中の事故で船から転落し消息を絶ってしまう。現在のラオス、田舎暮らしに嫌気のさした女性ノイは都会の生活に埋もれていたが、父親と喧嘩別れして出て来た田舎に帰れずにいた。ある日、ダム湖であるナムグム湖観光に誘われ迷子となり埋没橋を渡るうちに1960年にタイムスリップしてしまう。そこでナヌグム川を生活の中心に据えている村の少年と出会い川縁に打ち上げられていた川合を助け村人との生活が始まる。川合は村人の川への思いを感じ、ダム建設の意味を考え直す。そして竜神祭りの日に合わせ再建された埋没橋を渡りノイが村を出るとき竜神の火の玉が現れノイは現代へ戻ってくるのだった。
内戦の中ダム建設を敢行しようとした日本企業。企業戦士の一人だった川合が上から目線ではなく村人たちとの交流から現地のためにダムを建設したいと思うようになることと、田舎の生活に嫌気がさし農業に従事する父親を馬鹿にし喧嘩し都会に出るも、日々の生活に疲れ切っていたノイが、1960年の田舎の村人たちと交流することで、地道な生活の大切さを感じるようになることが話の流れでした。60年代にノイのような恰好をしている女性なんていなかったんじゃないかと思うけど、田舎の生活はそう変わってはいなかったのかもしれません。ノイが違和感なく村の生活に溶け込んでいく様は、50年以上前の世界ではなく現在のラオスの田舎の風景に思えてしまいました。ラオス時間なのかとにかく変化のない毎日が続き四季の移ろいも日本人にはなじみがないため、どれだけの時間が経過していったのか、何ヶ月もなのか数日のことなのかまったくわからなかった。心温まるファンタジーなんでしょうが、その後の川合はどうなったのかとっても心配になりました。