本作品は宗教色が強い。
その点では無宗教者である自分としては鼻白むところである。
でも欧米映画は背景にキリスト教の教示があるのは仕方が無い。
この映画も通常ならシラケるところであるが、今まで観た映画のベストワンである。この映画を初めて観たときから今までずっとそれは変わらない。
なぜこんなに感動したのかと言えば、この映画を観たときになぜか平和という言葉が浮かんできたのである。
リチャード・ドレイファスが異星人と初めてコンタクトをはたしたとき、この地球上の人類のいろんな問題がスーッと消えていくような錯覚を起こした。
宗教映画であるから、異星人が宇宙船から降りてきたときはもちろん神の降臨を意味しているのであろう。
神の祝福を受けた人類の未来は明るいのだ、という風にも受け取った。「2001年宇宙の旅」を通俗的に描いたともいえる。
そうなると宗教がどうのこうのというよりも普遍的な人類のテーマを示していると思う。
そこに私は感動した。観終わってなんとも言えない幸福感を味わった。このハッピーな気持ちは残念ながら「E.T.」では味わえなかった。とは言え「E.T.」も傑作なんだけど。
たぶんこの映画は私にとって最高、最強の映画であることは死ぬまで変わらないと思う。